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戦車兵神博行の自衛隊チェック53




『護衛艦はまゆきとみょうこう』


 『俺は葉書は出してないけど、地連の知り合いに言って乗れるようになった
んだ、地連に直接交渉するといいよ』と言う。
もちろん彼は即応予備自衛官パワー全開で知り合いの地連の自衛官のコネで乗れ
るようになったのだ、俺もOBパワーは使いたくない、彼の知っている自衛官は
彼より俺の方がよく知っている、なぜならかつて同じ戦車中隊に勤務し同じ戦車
に乗っていた人だから…。
 まぁお願いしたらその代わりに『即応予備自衛官になれ』と言われるのも嫌だ
し、そのつもりなら他の地連の知り合いに頼む。
しかしそんなアンフェアなことをしないと乗れないのは嫌だった。
それにしても枠が無いから無理と一般人(元自衛官とは名乗っていない)の願い
を断っておいて身内には…、腹が立った。

『はまゆきの艦首と奥がみょうこう』


 イージス艦を一目見ようと小樽港へ行く、朝早くから地連より早く現地入りした。
キャンセル待ちに望みをかけたのだ、もっとも艦内見学はできるのでムダにはな
らないし最悪『はまゆき』には乗艦して体験航海できる。
 キャンセル待ち一番の番号を貰い、艦内見学をした実りの多い話が聞けた(い
つか紹介する)。
 見学していると北海道中からイージス艦を見に来ていたのだろう、2戦車や7
師団にいるかつての同僚や上官と懐かしい再会をした。
彼等は自衛官パワーを使わず一般公募で『はまゆき』の体験航海に当たったと
言っていた、こんな人達もいるんだよ自衛隊には。
いよいよ艦内見学の時間、バスで多くの人達が来る、多分自衛隊関連の団体だろ
う、それにしても団体以外にも家族連れも目立つし友達同士らしき人達も目立
つ、えっ家族全員が当選?、偶然に友達が当たった?変だ!。 並んで待ってい
ると各地の地連からいろんな団体を引率して来た自衛官が、『あれ神さんでしょ
う72連隊にいた?』とか『17中隊にいた神さんでは?』とかつて同じ連隊や大
隊で勤務した隣の中隊だった人が何人も声をかけて来た。
それを見ていた地連の人が近寄って来て『自衛官ですか?』と聞く『いいえ元自
衛官です』と言うと『予備自にもなってますよね、見たことあるなと思ってたん
ですよ』と曹長に声をかけられた。
『みょこうの艦首、前方の錆だらけの船はロシア船』


するとその曹長が葉書を差し出した、見るとなんと乗艦チケットだ!。
なんてこったい、ここでこれを受け取れば男が廃る、『いいえいりません、キャ
ンセル待ちの一番ですから』ときっぱり断った。
 やっぱり身内にはやさしい、そして一般人にはとても厳しい。
そして念願のみょうこうに乗艦すると、地元のラジオのイベントで知り合った知
人に会ったしかも友達連れの…、『自衛隊に興味あったの知らなかったなぁー、
でもよく二人して当選したねこれに乗るのには凄い倍率だったんだから』と言う
と『えっ、いや…、小樽に来たら偶然自衛隊の船があったので二人で見てたら、
知らない人にチケットを貰ったんだ』と言うでは無いか、しかも自衛官じゃない
一般人のおばちゃんに!、しかもチケットの葉書には宛名も無かった、つまり
さっき俺が地連の人が差し出した葉書と同じ一般公募外のチケットだ。
団体で来ているのなら仕方もないだろう、しかし個人で無記名の葉書を数枚持っ
ているのは一体…、はっきりいって関係者が一部の人間に多く枠を取ってチケッ
トを配っていたのだろう。

『潜水艦出港』

 長々と書いて来たが、私の言いたいことは御解りだろう、総合火力演習のチ
ケットがプレミアチケットになっているのも、珍しいイベントも必要以上の枠を
自衛官の身内が最初から取ってしまい一般公募には回ってこないシステムになっ
ているのだ。
 こんなことではせっかく国民に自衛隊や防衛を興味を持って貰い理解してもら
う機会を失ってしまうではないか!、そして最初から理解し協力してくれる人や
マスコミにだけ機会を与えているのでは全く効果が無いではないか。
普段から協力してくれる人達にお礼の意味でイベントするなら一般公募なんてし
ないで、その人達のために別にやれば良い。
そして自衛官等身内しか乗せないのなら、自衛官のためだけの100億円以上す
る高級な自衛艦でのクルージングではないか。
 一般公募する以上不透明でしかも、身内かその関係者に多くの枠を与えている
の体質を改善しなくては国防は国民には余りにも遠い遠い話で身近には感じない
のではないだろうか。
 そして地連に言いたい、嘘を言ってまで乗りたいと熱望している一般人を退
け、身内には簡単に乗せるのでは余りにも卑怯で不誠実ではないか。陰でコソコ
ソやっているなら絶対に民間には知られないようにやってくれ、それなら文句も
出まい、しかしすぐバレる嘘を堂々と言い騙すのは恥を知れと言いたい。
 自衛隊が本当に国民の自衛隊ならば、国民の理解と信頼を一番に得なければ国
防省昇格も憲法第9条改正も簡単には行くまい。
私からの心からのお願いです、もう国民に嘘をつき騙すのはやめて下さい。

続く