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戦車兵神博行の自衛隊チェック92

(平成18年度東千歳駐屯地1)


『東千歳駐屯地正門、開場前で渋滞してる』

 去年までは車で東千歳駐屯地へ行っていたが、今年は公共交通機関を使って札
幌から千歳へ向かった。
『渋滞』


 午前7時頃千歳駅に到着し徒歩で駐屯地へ向かう、遠いのは知っているそれで
も1時間もあれば余裕だろうと考えていたが甘かった。
予報では雨だと言っていたので途中のコンビニで傘を購入した、ひたすら歩いて
東千歳駐屯地へ向かう、以前は開場時間前でも入門させてくれたが3年くらい前
から8時半開場まで入門させないようになった、そのため車で行くと大渋滞に
なっていた、タクシーもバスも意味が無いので歩くことにしたのだった。
『準備中』
『雨が激しく降る』
『90戦車が行く』


 やっと駐屯地に辿り着くと去年よりは車は余り無かった、雨のせいだろう、少
し降ってきた。営門前には既に観客が開場を待っている、そこを尻目に入門す
る。ゆっくり歩いて第二滑走路へ向かう、途中雨が降出した、傘を差すと一発で
ゴミと化した何にも役に立たずに新品の傘が壊れてしまった。
風雨が強くのだ、『参ったな』と思って歩いていると後ろから気合いの入った観
客が走り追い抜いて行った。

 会場に到着し良い場所をゲットしたが雨が強く降出し、風が強くてびしょ濡れ
になってしまった。『カメラを出せん』と隣の男が言った、風が強くて厳しい条
件だ。買ったばかりの一眼レフを使用するのも不安があった、知り合いの自衛官
が声をかけて来た、『やっぱり来てたな』と言う、家族連れだ。
『第一電子隊の車輌、何に使うのかは知らない』


 『本日は晴天なり、只今マイクのテスト中』と繰り返すアナウンスにうんざり
する、冗談にもならない。
もう少し気の利いた台詞でも言ったらいいのになんて思いながら雨風に耐える、
自衛官が整列し出す、雨衣は着ていない統一できないせいなのか戦闘服姿だ、右
方向から強い雨風を受けて右側だけが濡れている。
『よし俺も頑張ろう』と思った、しかし後ろから親子連れの母親が子供にしつこ
く繰り返し『もう帰ろう、帰ろう、帰ろう』と言う声が俺の心を挫けそうにな
る、必死で耐えているのに嫌な声だ。

続く