戦争・軍事 |中南米

敵味方で出会ってしまった瞬間




1989年2月、内戦終盤戦のニカラグア北東部、ミスキート地区。
川の対岸の反政府ゲリラ「コントラ・ヤタマ」が、心配そうに川のほうを眺めて
いる。

米軍正式のウッドランド迷彩服が、コントラゲリラ部隊に支給されている。
川を渡るのは、ニカラグア・サンディニスタ革命政府軍のトラック部隊。
サンディニスタ軍とコントラゲリラは敵対して戦っていた時代だが、まあ、こん
な光景はよくある。
対岸のコントラ兵士が心配気にするほどのことではない。
心配なのは、こちらさん。
近い位置で渡河中だった、コントラ・ゲリラ部隊のカヌーが急いで武器を隠して
逃げる。

この米軍迷彩服を着たコントラゲリラ兵士と、サンディニスタ革命軍兵士を1枚
写真に撮りこみたかったが、アングル的に絶対不可能なくらい角度が開いてい
る。残念。
そしたら、私の傍らで、やはり、この渡河光景を見守っていたのが、この2人。
左がサンディニスタ革命政府軍兵士で、右が米軍迷彩着用の反政府ゲリラ「コン
トラ・ヤタマ」。
右側のゲリラ兵士、顔立ちから、人種はメスチソではなくインディオであること
が想像できる。

現実ってこんなもんなのね。
出会ってしまって敵味方同士、交戦命令が出ているわけでなければ、素知らぬ振り。

つまり、対岸のコントラ兵士は、心配して眺めてるんではなかったっぽいね。

続く