通信アナリストの眼 INDEX


渡辺真由美のフリー・通信アナリストの眼




9月4日
3日、NTTドコモ首脳は記者会見をし、予定通り10月1日より、ワイドバンド
CDMA高速モバイルサービスを提供していくと発表した。しかし、動画像を取り込
んだアプリケーションの利用は10月以降になるとのこと。
世界に先駆けてモバイル・ブロードバンド・サービスを立ち上げるドコモには、圧力
がかかっている。モバイル・ビジネスはサッカーなのだろうか、ドコモのプラット
フォームを世界標準とすること。iモード旋風をもう一度吹かせて世界をあって言わ
せること。そんなことばかりが言われているが、ドコモはそんな声に耳を貸さない
で、マイペースを崩さないでほしい。
動画像が新サービスの目玉とされていたためか、動画像アプリケーション・サービス
展開の延期により「ドコモまた失態」という見方が一部、(もっぱら「世界」を意識
するナショナリスト達)、でされている。私は延期してもドコモが傷つくことはない
と思う。モバイルの目玉は動画像ではなくて、商取引だ。ユーザーが携帯メールで新
商品情報を見、それを即予約し、支払いもモバイル上で済ましてしまう。安全で使い
易いこのモバイル・コマース・システムをどう作るか。こちらの課金システムの成功
の方が動画像うんぬんよりインパクトが大きい。モバイル・メールを使った商品宣伝
の効果は絶大で、PCユーザーの倍の反応が返ってくるそうだ。
日本のインテリがしきりに気にする「世界」は、モバイル・コマース、そしてドコモ
が今度はどの携帯電話会社を買収するかに注目している。FinancialTimesによると、
それは英国BTWirelessだとのこと。