ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

大阪優位 1

阪神高速ユニバーサルシティR
(道の川柳・森川晃)

 去る平成13年2月26日(15:00)大阪市此花区北港に、ユニバーサルスタジ
オジャパン(USJ)開園に先駆けて、阪神高速(2)淀川左岸線ユニバーサルシティ
出口が開設された。
 
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  ユニバーサルシティ出口位置図
ユニバーサルシティ出口は、淀川左岸線の当初計画にはなかった追加ランプである。
USJ開園まで、この地区へはさらに東側の島屋出口のUターン路を介してアプロー
チされていた。交通量は少なくこの形式で何ら問題は生じていなかった。ところがU
SJ開園には、このような不完全な形でのアプローチでは問題が生じると考えられ
た。これは東京ディズニーランド(TDL)開園当初、特に道路アクセスの対応をせ
ず、首都高速湾岸線本線や東京湾岸道路の激しい渋滞を招いたことが参考になってい
る。TDLへの開園当初の道路アクセスは首都高速浦安ランプだけで、交通量の多い
東京都心方面からはTDLを通りすぎて、東京湾岸道路をクローバー型の浦安イン
ターチェンジでUターンするという複雑で、交通容量の少ないルートになっていた。
そのため、TDLに関係のない通過交通にも多大なる悪影響を与えてしまった。その
後、東京湾岸道路の荒川橋の架設、首都高速の舞浜入口、清新町出入口の開設などに
より開園から10年以上を経て通過交通にとっては理不尽な渋滞が少なくなった。ユ
ニバーサルシティ出口は、その轍を踏まないための阪神高速の切り札と言える。建設
費用は42億円であり、TDL対応の後付けの首都高速、東京湾岸道路の対応費用に
比べ、安価でおさまっている。

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  ユニバーサルシティ出口
       
  大阪市此花区北港1
  02/5/3撮影 
ユニバーサルシティ出口の構造で特徴的なのは、非常に長いランプ部を備えているこ
とです。ランプ部の延長は852mで、渋滞時でも90台程度の車両滞留が可能に
なっている。ユニバーサルシティ出口は、重交通の阪神高速湾岸線の北港ジャンク
ションから1キロ程度の位置にある。USJ渋滞が湾岸線に及ばないことが第一条件
であるが、これは楽にクリアできている。

<<< ユニバーサルシティ 出口模式図
ところで、先述のようにこの出口は追加ランプであり当初計画にはなかった。計画的
にUSJ渋滞を回避できるよう設計されたものではない。ある意味偶然が重なって、
最も合理的な結論を得られたということと思われる。

(1)  西側の舞洲(まいしま)を結ぶ此花大橋からの北港入口(現在閉鎖中)の合
流区間より東側に出口を設置しなければならない。
(2)  淀川左岸線東行き本線は北港ジャンクションからダブルデッキで接続してい
る(東行き本線は上路)。ダブルデッキ上路からUSJ入口(地平)へのランプ設置
にはきつい勾配が生じる。USJ入口よりも東側に出口を設置しなければならない。
(3)  淀川左岸線西行き本線の島屋入口がセンターランプ(本線の右側(東西行き
本線に挟まれた位置)に設置)になっている。また、北港ジャンクションから島屋に
かけての1.3キロは、ダブルデッキからシングルデッキを経て地下区間に至るため
東西本線に挟まれた位置に出口を設置するクリアランスはない。したがって、本線の
左側からの分岐にしなければならない。

 これらの条件から北港ジャンクションから約1キロの東行き本線左側にノーズを設
置した現状の形式に落ち着くことになる。USJ入口へはランプを介してUターンす
ることになる。これが852mの最も合理的なロングランプ設置に至った。

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  北港ジャンクション
  (淀川左岸線のダブルデッキ区間)
       
  大阪市此花区北港1
  02/5/3撮影