ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

過疎地の幹線道路1

交通量が少ないところに立派な道路なんて!! という声を発するのは、過疎地
に住んでない人たちだ。いくら交通量が少なくたって、誰かが通る必要があるの
なら立派な道路は必要である。それが国家インフラというものであろう。

道東自動車道(道の川柳・森川晃)

 道東自動車道は、千歳恵庭JCTと根室ICを結ぶ366キロの根室線と、その途
中の本別JCTと網走ICを結ぶ142キロの網走線、併せて全長508キロの都市
間高速道路である。工事名称としては北海道横断自動車道として道央自動車道の長万
部から黒松内、小樽を経て、既に開通済みの札樽自動車道を含む666キロとしてい
るが、これは実体に沿わないので本文では千歳恵庭JCT以東の区間を道東自動車道
とする。
 現在(2002年5月)の開通区間は、千歳恵庭JCTと夕張ICの42キロと、
十勝清水ICと池田ICの50キロである。工事区間は、夕張ICと十勝清水ICの
77キロと、池田ICと釧路ICの87キロと、本別JCTと北見南ICの92キロ
で、開通区間と工事区間は合わせて348キロに及ぶ。おおむね東名高速道路の総延
長(347キロ)と一致する大規模なプロジェクトである。
 
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  道東自動車道位置図
 ところで、この道路はマスコミから交通量の少ない無駄な道路の代名詞のように取
り上げられている。既製の資料映像を使用してコメンテイターの語るバックでこの道
路の画像を見せることが多いが、予算の多いキー局では、高い取材費用をかけて最新
画像を撮りにいくこともあるようだ。これらの多くは日本道路公団を批判するコメン
トが事前に用意された上で、なるべく交通量の少ないことをアピールする画像や地元
住民のコメントを得るという偏ったものが多い。

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  道東自動車道
交通量、車両種別などの利用状況や経済効果は、現地に行かなくても数値情報として公
開されている。本文ではこれらのうち交通量情報から偏見のない分析結果を報告する。
--- 表1 ---
2002年1月の日本道路公団管轄の高速自動車国道で
交通量が1日あたり2000台以下の区間
路線名 区間 交通量※
中部縦貫自動車道 白鳥西IC 白鳥JCT 174
日本海沿岸東北自動車道 河辺JCT 秋田空港IC 350
中部縦貫自動車道 油坂峠 白鳥西IC 527
道東自動車道 音更帯広IC 池田IC 553
山形自動車道 酒田IC 酒田みなとIC 554
道東自動車道 十勝清水IC 芽室IC 584
道東自動車道 芽室IC 音更帯広IC 598
道東自動車道 追分町IC 夕張IC 1067
中部縦貫自動車道 中ノ湯 安房峠 1101
道央自動車道 国縫IC 長万部IC 1113
道東自動車道 千歳恵庭JCT 千歳東IC 1174
道東自動車道 千歳東IC 追分町IC 1201
道央自動車道 豊浦IC 虻田洞爺湖IC 1588
道央自動車道 長万部IC 豊浦IC
1637
山形自動車道 庄内IC 酒田IC
1640
東海北陸自動車道 荘川IC 飛騨清見JCT
1748
山形自動車道 鶴岡IC 庄内IC
1784
※2002年1月の1日平均交通量
 道東自動車道は先述のように2区間が開通している。そのうち西側区間は千歳恵庭
JCTで道央自動車道と接続している。交通量が少ないことを表現するには単独部分
開通の東側区間の方が好都合である。東側区間は下記の4インターを挟む3区間で構
成されている。

   十勝清水IC →R274(穂別国道)と接続
   芽室IC   →道道54(東瓜幕芽室線)と接続
   音更帯広IC →R241(帯広北BP)と接続
   池田IC   →R242(陸別国道)と接続

 交通量としては、国内最低ではないが残念ながら3区間すべてが、ワースト8まで
に入っている。この表には記されていないが、芽室ICの1日あたりの出入り交通量
は31台で国内最低です。この交通量(600台未満)がどの程度のものかわかりに
くいかもしれないので、対比のため1日あたり80000台以上の区間を示します。
--- 表2---
2002年1月の日本道路公団管轄の高速自動車国道で
交通量が1日あたり80000台以上の区間
路線名 区間 交通量※
東名高速道路 横浜町田 厚木 119479
東名高速道路 東京 東名川崎 112603
東名高速道路 東名川崎 横浜青葉 112093
名神高速道路 茨木 吹田(JCT) 111762
東名高速道路 横浜青葉 横浜町田 109917
東関東自動車道 湾岸市川 湾岸習志野 100290
名神高速道路 京都南 茨木 99200
東関東自動車道 宮野木(JCT) 千葉北 94246
常磐自動車道 三郷 流山 93532
関越自動車道 所沢 川越 91502
関越自動車道 練馬 所沢 90221
中国自動車道 宝塚 西宮北 89800
九州自動車道 筑紫野 鳥栖(JCT) 89051
東関東自動車道 湾岸千葉 宮野木(JCT)
88806
常磐自動車道 流山
87964
関越自動車道 川越 鶴ヶ島(JCT)
86424
東名高速道路 厚木 庄内IC
84727
名神高速道路 吹田JCT 名神吹田 83025
名神高速道路 大津 京都東 82410
関越自動車道 鶴ヶ島(JCT) 東松山 82343
九州自動車道 大宰府 筑紫野 82303
東北自動車道 浦和 岩槻 81590
東名高速道路 東名三好 名古屋 81414
名神高速道路 瀬田西 大津 80827
※2002年1月の1日平均交通量
 区間集計の不可能な区間 
(中央自動車道(高井戸−八王子)、西名阪自動車道など)は
 上記統計から除外しています。
 これらの区間は太平洋ベルト地帯に属する区間ばかりで、おおむね7000万人く
らいの方には馴染みのある区間と思われる。

 結局、道東自動車道の情なさを数値で駄目押ししただけのようだが、本線と接続し
ていない短区間の交通量は一般に少ないものなので、少なくとも道央自動車道と接続
すればそれなりに交通量は増えるはずである。当初は短区間で開通し、その後徐々に
前後区間が延長され現在は中国四国の高速ネットワークの一部を担う幹線になった松
山自動車道(三島川之江IC?土居IC)の交通量変遷について「過疎地の幹線道路2」
で示します。