ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

大阪優位3


美女木JCTのジレンマ 2

 さて、美女木JCTはなぜ信号制御にしなければならなかったのだろうか。
信号制御のないフルセットの4枝直結を実現するためには、交差部の4隅
にランプ部を設置する空間が必要である。それに4層構造にしなければな
らない。高高架構造になりランプ部のアプローチも長くなる。もちろん建
設費用も多くなる。日本国内では、大阪市此花区の北港JCT(阪神高速(5)
湾岸線、(2)淀川左岸線、此花大橋の交差部)くらいしか実例がない。

北港JCT位置図(美女木JCT位置図と同一縮尺)
  
  北港JCT  大阪市此花区北港2(2002年5月3日 撮影・森川晃)
 なぜ美女木JCTを北港JCTにような完全4枝直結構造にしなかったのか検証する。
	  

(1)  美女木地区は市街地区域で、高高架構造の採用は生活環境保持の
        観点で不適切だった。
      (北港地区は工業地域で、環境に関する制限は少ない。)

(2)  高高架への長いアプローチ部を設置する余裕がなかった。
        首都高速池袋線側には、一般道への出入口(戸田ランプ)が設置
        されている。ところで、一般道(新大宮バイパス)は美女木交差
        点では外郭環状線をくぐるアンダーパスになっている。また、
       その600M南側の笹目3交差点で北大通をくぐるアンダーパスに
       なっている。つまり連続するアンダーパスに挟まれた美女木交差点
       から南に300Mの地点にしか戸田ランプを設置する余裕がない。
       したがって、300Mでは平面から高架1層目に接続するのが精一
       杯で、2層目以上への接続はスパイラルを介するなど複雑な構造
      になる。2層目以上への接続が必然となる完全4枝直結構造は不適
      切である。

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  「この曲線美が美しい。さすが美女木」
  戸田R・戸田市美女木4・
  美女木JCT南側新大宮BP歩道橋
  から首都高速池袋線戸田ランプを望む。
 (2002年5月26日 撮影・東長崎機関)
(3)完全4枝直結にすると美女木交差点の4隅にランプ部を設置する空
      間が必要になる。

美女木JCTの模式図に北港JCTを  同一縮尺で重ねたもの。
完全4枝直結にした場合の美女木交差点4隅の占有状況が想像できる。
  
 (4)  美女木JCT部の交通量は、将来少なくなると思われるので、安易な
          構造でも十分である。

続く