ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

首都高速内環状線(道の川柳・森川晃)2



■各区間紹介

1)    神田川区間(両国JCT?飯田橋JCT)

 首都高速7号小松川線の両国JCT西側で接続する。内環状本線は、6号向島線を
オーバークロスして、隅田川をS字カーブで渡り、京葉道路(R14)両国橋西詰北
側の台東区柳橋1で、神田川に至る。ここから神田川に沿って飯田橋まで西進する。
内環状線計画は頓挫したが、7号小松川線の渋滞時の流出促進ランプ(出口)だけは
建設しようという計画が浮上したことがある。この計画では、浅草橋あたりまでラン
プを伸ばすと思われたが、これも頓挫したようだ。川の手の道路建設は構造が複雑に
なり、費用対効果を考慮するとどうしても避ける傾向になる。もし、この出口が完成
していたら5号池袋線の早稲田ランプ(出口)のような壮大な未成線の小規模な復活
になっただろう。(早稲田ランプは、元は石神井で外環自動車道に接続する計画路線
の接続予定地だった。本件に関しての詳細は別の機会に記す。)
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墨田区両国1
首都高速7号小松川線、両国JCTアプローチ部。

正面は、竪川水門。
内環状線西行きは、7号本線を
アンダークロスして画像の右方向へ進む。
(1985年5月19日撮影。)
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墨田区両国1
両国JCT。

手前が首都高速6号向島線、左側が7号小松川線。
内環状線は左側から手前の6号向島線を
オーバークロスする形で隅田川を渡り、神田川に至る。
6号向島線上り線が7号小松川線本線を  アンダークロス
する箇所では隅田川に橋脚を立てず、7号本線が6号線を
吊る構造になっている。
6号線左路側から7号本線下部トラスへのワイヤーが
わかりますか。
(1985年5月19日著者撮影。)
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墨田区両国1
首都高速6号向島線本線。

手前が両国JCT、隅田川を渡るのは京葉道路(R14)の両国橋。
当該区間の6号向島線はT字型のコンクリート橋脚である。
また、隅田川左岸を通過するため分岐合流部の設置は難しい。
当初の内環状線計画に6号向島線との接続が考慮されていたか不明だが、
建設時には分岐合流部は何ら設置されなかった。
神田川は両国橋の北側から西にほぼ直角に接続している。
(1982年4月24日撮影。)
 昭和通りの和泉橋では、首都高速1号上野線をオーバークロスする。ここでは、1号
上野線江戸橋方向と相互連絡するジャンクションが予定されていた。岩本町交差点南
側の1号上野線には内環状との接続部が準備されている。つまり、岩本町交差点から
和泉橋までに扇状のジャンクション用地が必要になるが、昭和通りの沿道には全く余
地がない。
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千代田区神田岩本町
首都高速1号上野線、内環状線分岐予定部。

昭和通りと靖国通りの交差する岩本町交差点
南側に内環状線分岐、合流部がはっきり確認できる。
この区間の首都高速は環境に頓着しない黎明期に
建設されたため低い(4.5m)高架構造になっている。
分岐、合流部のため広い梁が架けられて、相当な圧迫感がある。
これらは明らかに非常駐車帯とは異なる広いスペースで、
市販の地図でも確認できる。
(1983年11月1日撮影。)
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千代田区神田佐久間町1
首都高速1号上野線、神田川過渡部、
JR総武線アンダークロス部をのぞむ。

内環状線は神田川に沿い、1号上野線を
オーバークロスする高い高架で通過する。
1号上野線本町方向とのJCTが設置される
 ため段違いの複層構造になる。
( 1983年11月1日撮影。)
 内環状線は、JR山手線、東北新幹線をオーバークロスして、御茶ノ水に至る。こ
のあたりは丘陵地帯である。したがって、神田川は渓谷のような雰囲気になり、広い
斜面は文教地区を彩るグリーンベルトになっている。こんなところに高速道路を通し
ていいものだろうか。高速道路賛成派の当方でも疑問を感じる。JR中央線からの景
観は現在とは全く異なるものになってしまう。内環状線計画時には高架構造か、神田
川を暗渠化して川底を半地下構造にするか、都市景観を考慮しない安易な機能性重視
の構造を想定していた。今ではそれはとても許可されないだろう。しかし、地下構造
にするには既存の地下構造物が多いので、大深度地下への設置になると思われる。建
設費は10倍以上に跳ね上がるのでよほどの説得力がなければ着手には至らないだろ
う。今から考えると首都高速環状線があの路線で、あの構造で建設できてしまったこ
とは、奇跡としか思えない。
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千代田区神田富山町
首都高速1号上野線本町ランプ、江戸橋JCT方向をのぞむ。

内環状線との岩本町JCTは、1号上野線の本町ランプと近いため
センターランプの本町ランプ(上野方面入口)から
サイドランプの内環状への分岐へは進入できない。
(1983年11月1日撮影。)
 水道橋、後楽橋を越えて、小石川橋をすぎたところで、既存の5号池袋線の下にも
ぐりこむ。内環状線岩本町方向と5号池袋線池袋方向を相互連絡する飯田橋ジャンク
ション分岐、合流ランプがサイドランプ形式で、上層に接続する。飯田橋交差点で、
5号池袋線と分かれて神楽坂方面の大久保通りから放射6号区間に至る。既存の5号
池袋線との2層構造区間での、1層目の内環状本線フロア、および内環状との連絡ラ
ンプ部の橋脚が付加できるよう準備されている。また、5号池袋線本線には広大な分
岐、合流部が完成している。

続く