ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

衣浦豊田道路を西三河産業地帯の大動脈に1



 西三河地域は、国道1号、23号、東名高速道路など東海道に平行する方向(東南 
?西北)に大きな交通が発生している。それぞれの交通量は1999年度の1日平均 
で、国道1号知立断面で49745台、国道23号刈谷断面で46022台、東名高 
速豊田断面で91374台である。鉄道もこの方向には、JR東海道本線、東海道山 
陽新幹線、名鉄名古屋本線がそれぞれドル箱路線で高速列車が頻発している。つま 
り、東京を含む東三河方面と名古屋、大阪方面の通過点として需要が大きく、インフ 
ラも整備されている。
 
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 衣浦豊田道路位置図
 ところで、この地域には自動車産業を基幹産業とした製造業で多くの業務が発生し 
ている。製造業の特性として効率化のために分業を実施している。したがって、事業 
所が各所に分散され、組み立て作業において部品を移動させることになる。つまり、 
交通の始終点が多く点在している。これらの交通の多くが、インフラの整備された東 
海道筋を経由するものならば何ら問題はないが、実は東海道筋と直行する方向への交 
通が多い。この方向(東北?西南)には幹線道路が少ない。
 
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 衣浦豊田道路
 インターチェンジ配置図
(愛知県道路公社WEBサイトから引用)
 豊田市と刈谷市を貫通する国道155号は、多くが2車線区間の低容量の一般国道
で20788台、豊田市と岡崎市を貫通する国道248号は、やや容量の多い4車線
(岡崎市内の一部は6車線) で41230台である。幹線道路はこの2本だけで、ほ
かには容量の極めて小さい愛知県道が3本ある。県道は居住地区を通過する生活道路
を兼ねているため大型車の走行には適当とは思えない。衣浦豊田道路は、国道155
号のバイパスとしての性格が強い高規格幹線道路である。西三河地区の東海道筋と直
交する分散交通を集約して、当該交通の高速化、生活道路の安全確保に寄与するもの
と思われる。
 参考までに、当該方向の鉄道は名鉄三河線と愛知環状鉄道があるが、いずれも単線 
のローカル線で、東海道筋とは全く様相が異なる。
 
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 ◆画像1
 知立市牛田町新田南
 国道1号、名鉄名古屋本線オーバークロス部をのぞむ。
(2002年8月14日著者撮影。以下すべて。)
 既存の国道155号は、豊田市から知立市を経て、大府市、東海市方面に連絡して 
いる。国道418号は、国道23号の分岐線というかたちで知立市から高浜市、碧南 
市方面に連絡している。つまり、豊田市方面から高浜市、碧南市方面へは、国道23 
号の上重原ICを介して連絡されている。国道155号、418号ともにバイパスが 
計画された。このバイパスは、これまでの国道筋に従わず、豊田市と高浜市を一直線 
に結ぶもので、西三河中央道という性格のものになった。バイパス工事は、豊田市上 
丘から生駒まで、知立市西中ICから碧南市までが2車線で暫定開通している。これ 
らの区間は4車線化の用地は確保されている。
 
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 ◆画像2
 知立市牛田町ヤケ田
 牛田IC
 衣浦豊田道路は、既開通区間を結ぶ重要な区間である。因みに、この道路は国道で 
はなく愛知県道路公社によって施工されている。
(道路名称の印象は、利用者増には案外寄与するものである。衣浦はいかにも当該道 
路の立地する知立市からは遠い。開通時には、この道路の意義を主張する名称に変更 
した方がよいと思う。「西三河中央道」は、聞えがよさそうに思えるがいかがなもの 
だろうか。結節点をぼかすことにより広域での需要が見込めると思う。反対にぼかす 
ことにより利用しにくい路線もある。愛知県には「尾張パークウエイ」という有料道 
路がある。この道路は観光道路としての性格が強いが、中央自動車道の小牧東ICと 
国道41号の清水ICを直結する産業道路でもある。国道41号の美濃加茂市以北と 
東名高速の春日井IC以南の短絡ルートになる。国道248号経由で多治見から中央 
自動車道を利用するよりも近い。パークウエイでは何となく業務用車両(特に大型車) 
は利用しにくいのではないだろうか。夜間は無料なのだが、ほとんど大型車を見たこ 
とがない。)
 
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 牛田IC、本線料金所モンタージュ
(愛知県道路公社WEBサイトから引用)

続く