ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

首都高速中央環状王子線(道の川柳・森川晃)



 2002年12月25日(水)18:00に、長期に渡る工事期間を経て、首都高 
速(C2)中央環状線の板橋JCTと江北JCTの区間7.1キロが開通する。この 
開通により中央環状線全線の57%が開通したことになる。おおむね北部から東部の 
区間がつながった。工事期間中は、「王子線」の名称だったが、開通後は中央環状線 
で通すことになる。これまで、小管JCT以西の中央環状線は川口線と一体になり、 
東北自動車道へのアクセスルートだけに利用されていたが、今回の開通で、江北JC 
Tから板橋JCT方面が本線で、川口線が放射方向の枝線扱いになる。ただし、江北 
JCTの道路構造は川口線を分岐線扱いにはしないので、みちなりに走行すれば中央 
環状線に誘われるということにはならない。
 
 今回の開通区間は、新規の需要を開拓するのではなく、既存の需要の走行性を高め 
ることになる。首都高速で最も信頼できない区間の一つである5号池袋線上りの竹橋 
を頭にした交通集中起因の交通渋滞を緩和させる効果をねらっている。
 今回の開通区間による分散効果
 (首都高速道路公団HPから引用)
 東京の通り抜けルートの選択肢が増えることによる分散効果をねらっているが、西 
側区間が未開通なので、3、4号(東名高速、中央高速)からのルート設定には無理 
がある。やはり、東北道、常磐道から池袋、新宿方面の利便性が高まる効果の方が大 
きいだろう。池袋は5号池袋線の東池袋Rで、新宿は高松R経由で最短距離でのアク 
セスが可能になる。池袋は問題ないが、新宿は中央環状新宿線の工事のため新宿まで 
の山手通りがネックになるが、両国、箱崎、江戸橋から環状線、4号を経るルートよ 
りは相当に時短につながると思う。元々、高松Rは新宿方面には有効な出入口だった 
が、道路構造上5号埼玉方面しか利用できなかった。今回の開通で、常磐道まで利用 
可能エリアになった。
現在建設中の区間一覧
 実は、今回の開通区間は、今後10年以内では最後の高架構造を主体とした高速道 
路である。1970年代に環境へ配慮すべきという世論が広がり、1980年代にジ 
オフロントの実現性が具体化した。1990年代の建設区間は、そのほとんどが地下 
構造になっている。今回の開通区間はジオフロントの嵐が吹き荒れる前の1980年 
代に着工しているため、なんとか高架構造を主体として建設された。

(1)  晴海線
 湾岸線との分岐部(東雲JCT)から東雲、晴海運河を越えるところまでは高架構 
造だが、ここから都心方向は地下構造である。着工区間は高架構造だけだが、晴海R 
はトンネル区間の起点に位置する。なお、晴海Rは当面は晴海線の終点として湾岸線 
方面との相互連絡ランプになるが、本来はトンネル区間中に設置される都心方面との 
連絡用である。つまり晴海Rは高架区間からトンネル区間に至る斜路に設置される暫 
定の仮ランプである。

(2)  中央環状新宿線、品川線
 新宿線は高松Rからトンネル区間への移行区間、4号、3号とのジャンクション以 
外はすべてトンネル構造である。引き続いて品川線も大井埠頭で頭を出すまで全区間 
トンネル構造である。

(3)  横浜環状北線
 生麦JCTから第一京浜を越えるところまでは高架構造だが、子安台から新横浜の 
鶴見川左岸まではトンネル構造である。港北ICで第三京浜に直結するところまでが 
着工区間だが、横浜環状という名称とおり、さらに延伸されて金沢区の釜利谷JCT 
に至る。この区間は西側の一部はルート未定だが、ルートが確定した区間はほとんど 
がトンネル構造である。

(4)  川崎線
 開通中の殿町Rまではダブルデッキの高架構造だが、以北の建設中区間はすべてト 
ンネル構造である。京急大師線の地下化と併せて一体構造のトンネルになる。

(5)  埼玉新都心線
 さいたま新都心エリアはすべてトンネル構造である。JR東北線のアンダークロス 
部は、一般道路のアンダークロスのさらに下をくぐる複雑な構造になっている。

 建設中区間については資料が豊富なので、いずれ個別にまとめたいと思う。
現在建設中の区間位置図
 今回の報告では道路画像は敢えて添付していない。編集部で取材継続中の「バブル 
絶好調(王子1から6まで)」において時系列で確認できるので、これらを参照して 
いただいた方がわかりやすいと思う。下記に主な撮影箇所を記す。撮影日は当該ペー 
ジのキャプション通りである。

   王子6:王子北R、石神井川上区間
   王子5:石神井川上区間、飛鳥山TN西側、王子南R(予定部)
   王子4:石神井川上区間、飛鳥山TN西側、王子南R(予定部)
   王子3:石神井川上区間、飛鳥山TN西側、王子南R(予定部)
   王子2:飛鳥山TN東側、明治通り上区間
   王子1:石神井川上区間、飛鳥山TN西側、王子南R(予定部)
 
 なお、今回の開通区間では、王子と板橋方面を連絡する王子南Rは未開通なので注 
意してほしい。石神井川の河川整備と一体化させるため工事が遅れている。
首都高速中央環状線(板橋JCTと江北JCTの区間)模式図
(首都高速道路公団HPから引用)