ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

東海北陸道の全通効果(広域編)6





◆図3
北陸自動車道、磐越自動車道
新潟中央JCT
 当初、北陸自動車道の起点は現在の新潟西ICのさらに新潟市街寄りの新潟黒埼I 
Cだった。新潟黒埼ICから市街までは、一般国道8号、7号が自動車専用道とし 
て、さらに幅員を広げて連続していた。この新潟BP(バイパス)は市街を抜けて、 
さらに豊栄、新発田に至る新々BPに連続している。交通量は極めて多い。新潟を縦 
貫する幹線である。通勤時間帯の交通渋滞は深刻で、信濃川、阿賀野川の各橋梁区間 
がネックになっていた。そのため、北陸自動車道をさらに外側に整備することになっ 
た。新潟西ICの線形は、長岡方向から見て道なり方向が新潟BPへの出入口レーン 
で、分岐方向が新潟中央JCT方面への高速本線になっている。

 ところで、新潟中央JCTは、磐越自動車道と接続するジャンクションである。高 
速道路同士は3方向の接続だが、新潟市街方面への新潟中央ICを併設しているので 
4方向接続の複雑な線形になっている。もちろん、全方向への接続が可能な構造であ 
る。直交する2本の本線に8本の亘り線が接線連続で接続しているはずである。

 ◆図3の地図Aは国土地理院発行の地形図だが、よく見ると北陸自動車道富山方面 
から新潟中央IC方向への出口亘り線が表記されていない。地図Bは某社の電子地図 
だが、これにもこの亘り線は表記されていない。高速道路の出入口はすべてシンメト 
リ構造になっているわけではない。中央自動車道下り線の相模湖東出口のように片方 
向の出口だけが設置されているケースがある。片方向の出入口はハーフインターと呼 
ばれているので、相模湖東出口はクォーターインターということになるのだろうか。
 
 新潟中央ICはその範疇では6分の5インターということになるが、実際には全方向 
接続のフルインターである。地図C、地図Dでは亘り線が表記されている。
 地図は極めて多くの情報を含有している。このことはなかなか理解してもらえなか 
ったが、電子データが浸透してきて、そのサイズの差異で一目瞭然になってきた。1 
Mバイトの文字列と地図を比べるのは、50万字(400字詰原稿用紙1250枚) 
と25000分の1の地形図1枚を比較するということである。したがって、地図に 
誤記があるのはある程度仕方がないと考えている。それでも目に付く箇所は限られて 
いるので、地図に勘所の働く目利きによる最終チェックは必要だと思う。

 実は、地図Cを作成した某社は、地図Dを作成した会社を盗作の疑いがあるとして 
訴訟している。新潟中央JCTについては地図C、Dが正解だが、ほかの箇所で全く 
同じ誤記があったらしい。つまり、地図A、Bの新潟中央JCTの誤記と同じような 
ケースである。当方は、このような政治的な話には関心がない。要は誤記の少ない地 
図を求めているだけである。地図Dが地図Cのデータを引用したことが問題なのでは 
なく、地図Dに元々誤記があったことと、地図Cがそれに気づかなかったことが問題 
なのである。

◆画像7
磐越自動車道 阿賀野川SA
(「高速道路と自動車」(高速道路調査会発行)1997年1月号から引用。)

続く