ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

阪神高速・第二環状線17



 守口線との接続地点は大川を渡り、城北運河上空に入った友渕橋付近が理想的であ 
る。守口線が高架橋なので、接続箇所も高架橋になる。淀川左岸線2期の豊崎Rから 
の接続線は大川右岸方向から進入するので、大川は高架橋で渡ることになる。ここか 
ら豊崎Rまでは、大川右岸から淀川左岸に進み、スーパー堤防内トンネルに続く。こ 
のルートが接続線には理想的だが、このルートが建設されると淀川左岸線3期の本線 
も自ずと大川右岸を進み都島橋南で左岸に移り都島区に入ることになる。

 大川右岸に 
はすでに守口線が高架で通過していて、地上は毛馬桜之宮公園になっているので、ト 
ンネル構造になる。トンネル構造ならば、北区長柄地区を横断する短絡ルートでも良 
いが、接続線との二重投資になり無駄である。

 元々、淀川左岸線3期には、厳格に守口線との接続は規定されていないので、接続 
線の憶測は無意味である。ところで、守口線は環状線から放射状に伸びて、郊外方向 
から複数の出入口が分合流している。都心方向との出入口は北区の扇町入口と南森町 
出口まで一箇所もない。つまり、郊外方向から都心に向かうほど交通量が増える一方 
なのだ。都島区内で淀川左岸線に交通分散させるのは良策だと思う。開通目処の立た 
ない淀川左岸線3期に期待するよりは、守口線の利用の方が現実的である。膨大な建 
設費を投じなければならない淀川左岸線3期を白紙にするくらいの効果が得られるか 
もしれない。

 なお、淀川左岸線3期の区間で道路用地を確保している花博通については、第二京 
阪自動車道へのサービス区間として鶴見区鶴見5まで開通させて、大阪内環状線へ連 
絡すれば良いと思う。

 淀川左岸線3期は、本来は第二京阪自動車道の大阪側の受け入れ道路として計画さ 
れたものである。第二環状線は都島から天王寺を経て住吉区に至るルートが現実的で 
はないため、淀川左岸線3期を重複利用しようと考えた。

 2004年1月27日に、国土交通省近畿地方整備局からPI導入の方針が発表さ 
れた。やっと、ルートや構造の検討が始まったばかりなのだ。この発表には大深度地 
下トンネルの可能性も示されている。もし、この構造が全線に採用されれば建設費は 
ほぼ1兆円、半分(城東区野江付近以西)だけに採用されたとしても数千億円はかか 
る大プロジェクトである。当方は予算の確保よりも工期が長いことが気になる。莫大 
な投資を必要とするプロジェクトは、本来は急務のはずである。

 それなのに頑固に難工事を選択して徒に工期を伸ばしてしまう。工期の延長は、費
用の増大にもつながる。大阪圏は首都圏ほど容易に建設費を確保できないので、これ
まで多くの知恵を使って凌いできた。ところが、神戸山手線が計画されたころから費
用対効果を考えない安易さが目立つようになってきた。

 某政治家が道東に誘致した高速道路は「無駄である」とのマスコミの宣伝により、 
揶揄対象になっている。これまで無関心だった道路行政に着目してもらえるのは好ま 
しいことである。しかし、無駄の定義が不明瞭である。建設費の金額の大きさで判断 
しているのだとしたら、道東自動車道の建設費用は安い方である。ほとんどが盛り土 
で、費用のかかる構造物は少ない。首都高速中央環状新宿線の100分の1くらいで 
ある。交通量が少ないので批判しているのだろうか。

 確かに交通量は少ないが、道東 
自動車道よりも交通量の少ない一般道路は多い。やはり、高速道路という投資に対す 
る効果が判断基準になっていると思う。つまり、建設費と交通量の関係である。とこ 
ろで、道東自動車道の断面交通量は平均して1日に1600台程度である。首都高速 
中央環状新宿線が開通しても1日に16万台も通過するだろうか。4車線の都市高速 
道路では構造上無理な交通量である。

 この論理は、高速道路のネットワーク効果を無視した暴論である。しかし、道路建 
設の費用が確保しにくい時代には、長期的な展望で効果の望める投資にこだわらず、 
刹那的な考えで妥協案に絞り込む手法が有効な気がする。森小路線に関する当方の報 
告書は、森小路線を第二京阪自動車道の大阪側の受け皿にして凌げば、淀川左岸線3 
期への投資が先送りできるということに帰結している。本報告では、守口線を第二環 
状線に代用すれば、投資の先送りができるのではないだろうかという提言に帰結した 
い。いずれも阪神高速12号線の活用である。

 実は、淀川左岸のスーパー堤防を枚方市まで延長して、堤防内に高速道路も含ませ 
れば画期的ではないかと考えている。既存の守口線のバイパスになるだけでなく、幻 
の大阪高槻線の機能も果たす。もちろん、大阪第二環状線の一部にもなる。これは、 
当方の無責任な意見だが、案外淀川左岸線3期よりも安価で効果を発揮するかもしれ 
ない。


【おまけ:地名の読み方】
 地名の読み方はとても難しい。難解で違和感のある漢字を適用している北海道も難 
しいが、アイヌの音読に無理矢理漢字を当てはめたものなので、そのまま音読みすれ 
ば正解に近いことが多い。関西、九州は平易な漢字で一見読めそうなところがあり、 
当方には特に難しく感じる。長年地図に親しんでいるのでかなり読めるようになった 
が、完璧とはとても言えない。

 下記に本報告に登場した難読地名の読み方を記す。これらが読めればかなり関西通 
だろう。しかし、そのまま読むと地元で恥をかくことがある。アクセントが独特なの 
だ。アクセントは表現が難しいので表記できないのが残念だが、関東人がそのまま発 
音すればたいてい間違っていると考えた方が良いだろう。また、関西人は合理的な人 
が多いせいか、様々な省略をする。長い地名を略すのだ。関西で「梅田新道(うめだ 
しんみち)」と呼ぶ人は希である。一般的には「梅新」である。また、新御堂筋は 
「新御(しんみ)」で通じる。

 いずれにしても馴染めば、これほどユニークなエリアは珍しいので、積極的に関西 
文化に触れていただきたい。関西人は必ず受け入れてくれるはずである。

門真市                  稗島            ひえじま
堺市                    三宝            さんぼう
東大阪市                水走            みずはい
大阪市鶴見区            茨田            まった
摂津市                  正雀            しょうじゃく
摂津市                  一津屋  	ひとつや
高槻市                  辻子            ずし
久御山町                巨椋池  	おぐらいけ
大阪市住吉区、堺市      遠里小野        おりおの
堺市                    百舌鳥  	もず