ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

日本〜フランス・ジャンクション比較1



PORTE DE MAILLOT(ポルト・マイヨ)


【はじめに(タイトルについて)】

 ちょっとしたきっかけから東長崎編集部に道路に関する雑文を投稿している。
当方 の道路への関心はそれ以前に始まったもので、特に開示を目的としていな
かった。そ れでも、調査して情報を収集することと、それをまとめることは別
の次元なので、開 示することにより関心の度合いを確認してみようと思った。

 道路という狭い分野で、 そんなに書くことはあるのだろうか。つまり、いつ
までネタが続くのか確認してみよ うとしたのだ。開示を始めて3年目になる
が、ネタが無くなる気配すらない。いくら でもネタはある。まとめるために確
保した時間に相応するアウトプットが生まれるの だ。東長崎に開示するように
なってから集めたネタだけでも、開示に至ったものは1 0%にも満たない。そ
れに過去の調査分を加えるとネタに困るという事態は無縁と思 われる。ところ
が、まとめる技術がなかなか向上しないのが困りものである。

 ネタのチョイス、誤認識については、読者の意見などを真摯に受け止めて是正
しな ければならない。また、まとめかたについては多くのほかの本を読んで参
考にする。 さらに、画像や図表などの電子データは苦手だが描画ソフトウエア
のテクニックを少 しずつ取得していく。いずれも当方が継続することにより何
とかなりそうである。し かし、まとめたもののタイトルを考えるのは難しい。
センスの問題である。
 なかなか インパクトのあるタイトルは考えられない。実は、タイトルは東長
崎編集部で決めた ものがつけられていることが多いのだ。
 かつて、パリの環状道路(ペリフェリック)について紹介したことがある。

2002.12.26パリ版環七「ペリフェリック」効果4
2002.12.25パリ版環七「ペリフェリック」効果3
2002.12.24パリ版環七「ペリフェリック」効果2
2002.12.23パリ版環七「ペリフェリック」効果1

 このとき、当方がつけたタイトルは「PORTE DE BERCY(ポル
ト・ ド・ベルシー)」である。紹介した高速道路結節点のミクロな名称であ
る。東京なら ば「大泉」というタイトルで東京外環自動車道と関越自動車道の
ジャンクションを紹 介しているようなものである。パリのミクロな地名が一般
的ではないということがわ からなかったのだ。しかも、続いてパリのほかの箇
所についても同様のミクロな地名 のタイトルでまとめる準備をしていたのだ。
困った独りよがりである。

 今回はパリの実例をあげてジャンクションの構造についてまとめる。当方がつ
けた タイトルは最終的には「PORTE DE MAILLOT(ポルト・マ
イヨ)」で ある。このタイトルが不適切であることはわかっているが、センス
が急に良くなるは ずもないので、今回も東長崎編集部にお任せしたいと思う。

 ちなみに当方が考えたほ かのタイトルは、「パリの結節点」「パリの高速道
路景観」「パリのジャンクショ ン」、そして「都市部での高速道路結節点の構
造について」「高速道路ジャンクショ ンの都市景観に及ぼす影響について」
「パリの高速道路ジャンクションの都市景観へ の配慮について」というよう
な、論文のようなものしか浮かばない。「パリの散歩 道」というロマンチック
なタイトルでシリーズ化するという手もあるが、このタイト ルで道路のことし
か触れない雑文を読まされたら、芸術の都に期待したネットサーフ ァーを裏切
ることになる。

 文豪と言われる大作家の作品でも、案外タイトルを編集者が決めていることが
多 い。ものを書くことと書いたものをアピールすることでは異なる能力が必要
というこ とだろう。

 なお、当方が東長崎編集部以外に送付したものも、本に掲載されるときにはほ
とん どタイトルは変更されている。タイトルとは一般的にそういうものである
と認識して いる。ところで、掲載された本は書店で販売されているものではな
く会員に配布され る道路専門誌である。内容は論文とコラムの中間のようなも
のである。読者はすべて 道路事情に精通した人ばかりである。どのようなミク
ロな視点で記しても理解される 場でも、当方のつけたタイトルは通用されない
のだ。情けない話だが、職分をわきま えて本文に徹するのが良いのかもしれない。

続く