ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

環八通りの77年 11

【2006年以降】
 環八通りはすでに2006年には全通しているが、多くの構造物が未供用であ
る。 2006年以降は、これらの構造物が順次供用していくと考えられる。

◆地図7
2006年以降の環八通り整備計画
 湾岸道路から順に見ていくと、最初に産業道路との交差点には大鳥居高架橋が
設置 される。(◆都市計画図1を参照。)
産業道路の本線パスである。南側の位置する大師橋の改修に続いて、大鳥居交差
点の 北側まで拡幅して立体構造物が設置される。現時点(2004年8月)で
すでに用地 買収は進んでいるので、この高架橋は早い時期に供用すると考えら
れる。(◆写真4 を参照。)

◆都市計画図1
大鳥居交差点付近の都市計画図。
(東京都WEBサイトから引用。)

◆写真4
大田区羽田2
羽田2交差点(大鳥居交差点の南側)から産業道路、川崎方向をのぞむ。正面の
斜張 橋は大師橋である。本線4車線の両側に拡幅用地が確保されていることが
わかる。
(2002年6月12日、著者撮影。)
 次に、第一京浜(R15)との交差点には南蒲田高架橋が設置される。(◆都
市計 画図2を参照。)
第一京浜の本線パスで、アンダーパスになる。この交差点は現時点(2004年
8 月)でも渋滞のネックになっているので早期の対策が急務とされている。す
でに構造 物の着工に入っているので、予定通り早期に供用すると考えられる。
 なお、南蒲田UPについては、国土交通省関東地方整備局川崎国道事務所の
WEB サイトに詳細が記載されている。

http://www.ktr.mlit.go.jp/kawakoku/15/kamata/index_main.htm
(蒲田立体交差事業)

 このサイトではこの構造物は「蒲田立体」と表記されている。本報告では交差
点名 そのままに「南蒲田UP」と表記している。表記が一致しないが、先述の
ように構造 物の名称は開通直前に決まることが多いので、工事中はあくまでも
仮称である。工事 主体のサイトの方が正解のように思えるかもしれないが決定
ではない。繰り返して記 すが、未開通の構造物の名称はすべて仮称である。

 位置を認識するための目安と考え てほしい。南蒲田についても、本報告では
敢えて国土交通省の記載に併せることなく 交差点名のままとする。実は本件に
ついては蒲田高架橋(蒲田UP)でも良いかと考 えたのだが、南蒲田交差点の
西側にある環八通りとJR東海道線の高架橋の正式名が 蒲田陸橋なので、紛ら
わしいと思い、敢えて国土交通省の記載とは異なる交差点名で の表記にこだ
わった経緯がある。

◆都市計画図2
南蒲田交差点付近の都市計画図。
(東京都WEBサイトから引用。)
 南蒲田交差点から練馬区まで、すでに主要な放射道路との交差点には立体構造
物が 設置されている。完全供用のように見えるが、まだいくつかの計画が残さ
れている。 いずれも放射道路の計画が実現した場合に立体化できるように準備
したものである。

大田区では、第二京浜と交差する矢口OPの西側の千鳥3交差点に設置される立
体構 造物が計画されている。(◆都市計画図3を参照。)

 千鳥3交差点は、神奈川県方向にはガス橋を渡り川崎市中原区の上平間交差点
まで放 射道路が開通している。川崎市内ではガス橋通りと呼ばれている。千鳥
3交差点付近 は東京都道11号(多摩堤通り)と重複するが、神奈川県道
111号(ガス橋通り) という放射道路が接続していると考えて差し支えない
だろう。2車線の狭い道路だ が、多摩川を渡る貴重な道路である。多摩川は意
外に橋が少ないのだ。下流は第二京 浜の多摩川大橋ままで、上流は中原街道の
丸子橋まで道路橋がない。近代土木では多 摩川に橋を架けることは容易いはず
だが、多摩川の両岸とも住宅が密集しているので 橋へのアプローチ区間の用地
が確保できないのだろう。

 千鳥3交差点の都心方向は地先道路が接続しているが、放射道路としては未開
通であ る。ここには池上通りが接続する予定である。池上通りは千鳥1で第二
京浜と接続す る地点まで開通している。計画では千鳥1で第二京浜と交差し
て、さらに東急池上線 とななめに交差して千鳥3で環八通りに接続する。池上
通りの延長によりガス橋通り と一体になって、第二京浜を補間するかたちの放
射道路になる予定である。この計画 は東急池上線との交差がネックになってい
る。鉄道の連続立体交差が実施されるのを 待っているのだ。暫定的に踏み切り
で平面交差させるには、踏切の通過待ちの滞留に より住環境に悪影響を与える
し、道路を暫定的に立体化させるほどの必然性もない。
 したがって、千鳥立体の供用はずいぶん先のことになると考えられる。

続く