ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

枝線が本線であるかのような構造(東北)8



【まとめ】
	  
 北東北圏の高速道路の本線を連続させるかたちで模式化した。(◆図1を参照。)
 薄赤線の東北道という名称の主軸は、実態は八戸に向かう枝が主軸である。名
称が 連続する青森までの東北道は、青森道と連続して八戸に至る。実態の幹の
頂点のやや 下にぶら下がる房のかたちになっている。青森ICはぶら下がった
房から少し芽が出 ているように見える。

◆図1
北東北圏の高速道路の本線の模式図。
薄赤線が東北道の軸、薄青線が日本海東北道の軸。
 東北道は頂上でやや右にそれるが、おおむね幹としての体を成している。しか
し、 薄青線の日本海東北道の軸は、とても幹とは言えない。北東北圏では秋田
道と連続し て東北道から派生する秋田へ立ち寄る迂回路のかたちになってい
る。これは、青森に おける東北道との関係と同じである。
 本稿では記していないが、南東北圏では、河辺JCT以南は酒田を経て、山形
道と 連続して東北道とは村田JCTで接続する。日本海東北道は、酒田の南の
鶴岡JCT から新潟に向かうルートである。日本海東北道の実態は何度も区切
られている。
実は、日本海東北道は当初の高速道路計画には記されていなかったのだ。当初
は、主 軸は東北道1本で、酒田までは山形道、秋田までは秋田道の枝が配置さ
れていた。日 本海道北道は、山形道、秋田道の日本海沿岸区間をさらに延長し
て無理に連続させた ものなのだ。そのため、新潟側は北陸道の延長として建設
され、以北は山形道、秋田 道の延長である。延長には無理のある区間において
日本海東北道として開通させてい るだけなのだ。

 高速道路利用者には、ジャンクションの構造はそれほど関心のあるものではな
いだ ろう。せいぜいわかりやすいかたちにしてほしいと望むくらいだ。しか
し、着目して みると計画の全体構想や、変遷の経緯、それらの成功例や失敗例
を見つけることがで きる。鉄道に比べて、高速道路の歴史は浅い。つまり最近
計画したにもかかわらず、 すでに思惑通りにならずに線形を改良するケース※も
見られる。
 本稿では北東北圏にしぼったマクロな視点での確認だが、ミクロな視点でも発
見は あるはずだ。
 機会があればいろいろな視点で分析をしてみたいと考えている。

※    鳥栖JCTにおけるサガンクロスの追加など。

◆写真A2
鳥栖JCT(サガンクロス)
九州道上り線からサガンクロス(九州道下り線から長崎道への直結路)、太宰府
方向 をのぞむ。
(2005年3月21日、著者撮影。)
(以上、2005年10月9日、脱稿。)