ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

風雪地帯の高速道路の必要性5



 さて、順調に整備されている道央道だが、困ったことになったと思ったのは、
20 00年の旭川鷹栖ICから和寒ICの間29.3キロの開通である。旭川
鷹栖IC以 北はせいぜい旭川北ICまでは十分需要はあるが、その先は確実に
不採算路線を増や すことになる。どこまで延長する気なのだろうか。終点の稚
内までは250キロもあ る。計画線は函館から稚内まで記されているが、本気
なのか。建設状況は把握してい たが、2003年に既開通区間とは離れた名寄
バイパスの一部区間が開通し、道央道 も和寒ICから士別剣淵ICまで16キ
ロ延長された。本気かもしれない。さらに2 004年に、名寄バイパスからも
離れた豊富バイパスが開通した。稚内までつなぐつ もりなのだろうか。

◆表3
道央自動車道の工事進捗一覧。
 2006年8月現在の道央道の工事進捗状況を見ると、現在最も勢力を注いで
いる のは函館直結のようだ。南端の国縫ICから八雲ICまでの21.7キロ
は2006 年度に開通する予定である。さらに南の落部ICまでの16キロ、
大沼ICまでの2 9.5キロの進捗もかなり進行している。ここまで建設が進
むと需要がどうであれ、 中止する方が無茶かもしれない。大沼ICまでは数年
以内に延長されることは間違い ない。(◆表3を参照。)

 ただし、大沼IC以南の函館新道区間の進捗が進んでいないので函館直結はし
ばら くのぞめない。大沼IC以南、函館新道の北端である七飯藤城ICまでの
国道5号は 峠道で、大型車の速度低下による渋滞要因を含んでいる。それで
も、トンネル区間を 含め上下4車線で供用しているので、函館新道と大沼IC
のアクセスは支障のない程 度に機能すると考えられる

 道央道北端の士別剣淵ICから先は新直轄の抜本的見直し区間として整備計画
その ものが保留になっていた。しかし、2006年2月7日に士別剣淵ICか
ら12キロ 北進した士別市多寄までが着工区間に格上げされた。士別市多寄で
は道道888号東 陽多寄線と接続する。ここには高速道路を延長させる需要は
見あたらないし、並行す る国道40号とも3キロほど離れている。現在の北端
である士別剣淵ICが国道40 号とタッチしているのに、タッチしないところ
まで延長するのは不自然である。ここ からさらに12キロ北進して、開通して
いる名寄バイパスの名寄ICまで近いうちに 延長が決まるのは間違いないだろう。

 離れた開通区間の豊富バイパスの前後は予定路線で、着工の目処は立っていない。

◆図2
道央自動車道の整備計画図。
 開通区間と着工区間を併せて、道央道の開通状況および運用についてまとめて
み た。(◆図2を参照。)
 南から、函館新道区間はいつまでも無料のままで供用し、大沼IC以北が有料
の高 速自動車国道という運用になると考えられる。有料区間の北端は現状のま
ま士別剣淵 ICまでとし、以北は名寄バイパスを含め無料開放する。もちろん
離れ小島の豊富バ イパスも無料のままだろう。固い言い方をすると、高速自動
車国道に並行する自動車 専用道路と、高速自動車国道の整備計画区間のうち新
直轄区間はすべて無料開放と考 えているのだ。

 ところで、高速道路のインターチェンジ番号には関心があるだろうか。無番号
のイ ンターチェンジもあるが、高速道路のインターチェンジには番号が振られ
ていること が多い。道央自動車道の全体計画は、函館と稚内を結ぶ全長681
キロの高速道路で ある。しかし、全区間がNEXCO東日本管轄ではない。端
部においては管轄が異な り無料開放されている。それでも利用者には同じ構造
の道路ならば区別はないだろう。

 さて、くだんのインターチェンジ番号だが、一般的には起点から昇順に振られ
る。 起点はおおむね東京方向である。上り線、下り線という表現においても上
りとは東京 方向を示す。たとえば、東京の平日朝は上り線が混雑し、夕は下り
線が混雑する。東 名高速から、東関東自動車道まですべての放射線が同じ表現
で済む。しかし、名古 屋、大阪では慣れないとわかりにくい。名古屋の平日朝
は、東名高速、中央道下り 線、東名阪道、名神高速、東海北陸道上り線が混雑
し、夕は逆になる。
 北海道の高速道路のインターチェンジ番号は、札幌を起点として昇順に振られ
てい る。(◆表4を参照。)

◆表4
道央自動車道のインターチェンジ番号一覧。
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続く