ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

東北地方南部・視認メモ.090922-1



 2009年9月22日、下図ルートで複数の道路を視認した。

◆地図1
2009年9月22日の視認ルート。
(1)宮城県道44号角田山元線

 宮城県角田市は、東北道と常磐道の筋に挟まれた国道349号の沿道に立地し
ている。仙台方面への高速アクセスは国道349号を北上し、柴田町で国道4号
(陸羽街道)を経て、国道6号との藤浪交差点から先は、東側を併走する仙台東
部道路に渡るルートが最短である。ただし、国道4号の当該区間は渋滞多発区間
のため、必ずしも最短時間にはならない。

 遠回りになるが、国道113号を西進し、白石市街を経て、新白石大橋から国
道4号を経て、白石ICで東北自動車道に乗るルートも考えられる。仙台以北盛
岡方面には、前者は仙台東部道路、仙台南部道路と2回の分岐で結局、東北自動
車道の仙台宮城ICに至るので、後者の方がよいかもしれない。しかし、いずれ
にしてもベストルートとは言い難い。

 2009年9月12日、常磐自動車道の山元ICと亘理ICの間、11.5キ
ロが開通した。角田市から山元ICまでは、明通峠を越えれば数キロである。現
在は、隘路の宮城県道244号が通じているが、高規格化されるようだ。この現
況を確認する。

 現時点では未開通だが、角田市から明通峠のワインディングの手前まで改良が
進んでいる。角田市から山元ICまでは約10分だった。全区間の改良が完了す
れば、常磐自動車道の山元ICが角田市における最寄りの高速アクセスポイント
になるだろう。


(2)常磐自動車道 山元IC-亘理IC

 (1)でも記したが、9月12日に開通した常磐自動車道の最北端区間であ
る。亘理ICからは仙台東部道路、さらに三陸自動車道に連続する東北地方の太
平洋岸を結ぶルートになる。当分は交通量が少ないと考えられるので、2車線の
対面通行でも問題ないだろう。しかし今後、山元IC以南、相馬を経て、常磐富
岡ICまで、つまり東京までつながると交通量は急増すると考えられる。常磐自
動車道は東北自動車道のサブルートという関係がある。

 現在は、いわきJCT以南の常磐自動車道がその役割を担っていて、沿道の交
通需要が少ない磐越自動車道(いわきJCT-郡山JCT)は東北自動車道へ渡
る通過交通だけのために交通量が増大し、2車線の対面通行には耐えられず、早
期に4車線のフル規格に改良された。福島、および以北と東京を結ぶルートは1
本では不足しているのだ。

 今回開通した区間は、いわき以北仙台までの東北自動車道のサブルートの一部
になる。仙台、および以北と東京を結ぶルートに組み込まれる。仙台東部道路を
含めて全区間がいずれフル規格になるだろう。
 現状で、どの程度フル規格への改良準備をしているか確認する。

◆図1
南東北地方の高速道路ラダーネットワーク模式図。
 開通区間は全区間が平野部で、盛り土構造である。大きな河川の横断や、切り
通し、トンネルもない。そのため本線走行では準備は確認できなかった。開通以
前にフル規格の用地確保が完了していることは確認しているので、容易に改良で
きると考えられる。


(3)三陸自動車道 桃生津山IC-登米IC

 2009年3月22日、三陸自動車道の桃生津山ICと登米ICの間、9.6
キロが開通した。仙台側からの連続開通区間の最北端である。当該区間は、国道
45号桃生登米道路として施工されている。この区間は特に気になることはな
かったのだが、その手前の鳴瀬奥松島TB(トールバリア:本線集約料金所)の
新設と、石巻河南ICまでの無料区間への移行状況が気になった。これまでは、
仙台から石巻河南ICまでが有料区間で、石巻河南ICの手前、石巻港ICの本
線に料金所が設置されていた。

 交通量は少ないので、そのために道路が拡幅されている構造ではなかった。当
該区間は2車線の対面通行だが、本線料金所付近だけ4車線のフル規格の幅員で
開通させていた。この料金所を撤去して、さらに仙台寄りの鳴瀬奥松島ICの本
線上に料金所を設置する。鳴瀬奥松島TBは交通量の増大を見越して本線を拡幅
している。昨年11月に通過したときは、鳴瀬奥松島TBのブースは設置されて
いて、徐行で通過(スルー)させていた。

◆図2
三陸自動車道の本線料金所位置変更模式図。
緑線が有料区間、青線が無料区間である。
 そして本日通過してみると、鳴瀬奥松島TBは完成し、石巻港TBは撤去され
ていた。石巻港TB跡は路面に区画線が残り、ずいぶん荒れていた。4車線のフ
ル規格の路面は区画線で2車線のみを走行させていた。

 この運用は、今後全国各地で実施されていくと考えられる。有料では採算の取
れない地方の高速道路を無料化するため、拠点から進んで、採算の取れなくなる
地点に本線料金所を設置し、その先は無料になるというかたちである。既存開通
区間で実施すると、この区間のように複雑な本線切り替えが生じる。有料区間と
無料区間の交通量の差異など、交通状況は今後も情報収集を継続したい。無料区
間になる地点(本線料金所)を設置する箇所が移動していく区間もほかの路線で
も現れるかもしれない。

 ほかに利府JCTの石巻方面渡り線の追加工事の状況も確認した。利府JCT
については公共事業体のWEBサイトで進捗確認することはできるが、現地で実
物も見ておきたい。気になるのは、暫定2車線対面通行の三陸自動車道への渡り
線取り付け箇所である。隣接する利府塩釜ICまでの区間がフル規格に改良され
るかもしれないと考えた。しかし、実際には交通需要はそこまで逼迫しないと踏
んでいるようだ。

続く