ヒマヒマなんとなく感想文|

「鬱力」「ゴッホの手紙(上)」


(森川 晃 2003.12)

「鬱力」柏瀬宏隆 集英社インターナショナル
「ゴッホの手紙(上)」エミル・ベルナール編 岩波文庫

 11月下旬くらいからゴッホに異様な関心を示している。1時間くらい同じ絵を見ていたこともある。驚 異的な吸引力を持っているようだ。当方は20歳まで本を読んだことがないので、「常識」にあたることが 欠落していることがある。ゴッホに関してもあまり知らない。多作だが思いつくのは20作くらいで、経歴 も、「癲癇気質で自殺し、実弟がめんどうを見ていた。生前は1作しか売れなかった。実弟も兄の死後 半年後に自殺している。」この程度しか知らなかった。

 この機会に少し詳しくなってみようと思う。ゴッホは画家には珍しく手紙というかたちだが文書を残して いるので、理解は容易である。いずれは本物の絵を見てみたいが、日本の美術館はさすがにゴッホク ラスになるとガラスを通して見ることになるのであまり「チカラ」を感じないかもしれない。当方は絵に詳し いわけではない。絵心もない。美術館もほとんど行ったことがない。それでも何度か行ったことがある。 ほとんど感動はなかった。レンブラントを見たとき少しだけ「チカラ」を感したが、あくまでも少しだけであ る。ところが、パリのオルセーに行く機会を得たとき、何とも表現できないこれまで経験したことない「パ ワー」を感じた。あらゆる作品が剥き出しなのだ。いきなり入口付近でとてつもないパワーを感じたので 近づいてみるとルノアールだった。この美術館は1日で回れるようなものではないらしいが、確かに正面 から20メートルすすむのに1時間はかかったような気がする。当方は「絵」の人ではないので、この感 動を繰り返す必要はないが、「絵」の人がパリに集中する理由はなんとなくわかった。当方は「都市高 速」の人なので、首都高速のある 東京に在京していたことがある。同じようなものかな。