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バグパイプバブルの警笛(「戦場のアリア」1)



(加藤健二郎/2006.4)
戦場のアリア1

 第1次世界大戦を描いた歩兵戦の中での実話を元にした映画である。 ついに、バグパイプがここまで準主役級に躍り出た映画ができた。
出てくるバグパイプ兵士は1人や2人ではない。登場シーンも10回くらいには なってるのではないだろうか。バグパイプのバブル期が始まる。

チャンターの音が出ないでフゴフゴ苦戦してる兵士のシーンもあり、バグパイプ が体力系楽器であることも、ちゃんと表現している。バグパイパー・カトケンが 書き始めるとキリがなさそうなので、とりあえず、まだ公開前なので、ネタばら しは最小限に抑えておきます。

戦場のアリア2

 第一次世界大戦の塹壕戦といえば、泥水の溜まる塹壕の中で、ただひたすら耐え抜いて膠着状態。ライフルよりもスコップ(シャベル?)が大活躍という戦争 である。そんな中で、湿気に敏感な木管リード楽器バグパイプが大活躍するので ある。ドイツ軍は、「クリスマスツリーの大量輸送は大砲の輸送よりも大変だ」 と言いつつも、クリスマスツリーを最前線に送る。

 1940年代までは、世界最大の大殺戮地帯だったドイツ・フランス国境地帯 だが、今や、その地域で戦争が勃発することを危惧する人はいないであろう。や はり、戦争というものは、陰鬱にチマチマとやってるとスカッと終われず、戦争 責任を他人に押し付けたりして、せこい喧嘩を後世まで続けることになる。
やるときは、バグパイプ鳴らしたり歌ったりしながら明るく前向きにやって 「終わり」と決めたら、ウダウダ言わずにキッチリ終わりにしたほうがいいな。

 第1次世界大戦では、500人強のバグパイパーが戦死し、600人強が負傷 している。ここでいうバグパイパーとは突撃の際にも武器を持たずにバグパイプ だけで突撃する兵隊のことである。ビクトリア・クロスという英連邦最高の軍人 勲章をもらったバグパイパーも複数出ている。

 ドイツ兵はバグパイパーに "The Ladies from Hell"というあだ名をつけて 敬ったとスコットランド兵は主張しているが、英連邦人お得意の自己宣伝と いう見方もされている。スコティッシュを田舎モノ扱いとしてるイングランド兵 は、この点をどう評価してるのかな。

戦場のアリア3
>>バグパイプバブルの警笛 -「戦場のアリア」2
>>バグパイプバブルの警笛 -「戦場のアリア」3
>>バグパイプバブルの警笛 - 映画「ワーテルロー」

>>映画「戦場のアリア」
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続く