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「戦場の名言 - 指揮官たちの決断」


(神博行 2007.5)

「戦場の名言 - 指揮官たちの決断」
葛原和三・田中恒夫・熊代将起・藤井久=編著
 草思社

 平成18年に出版された日本を代表する戦史研究家達が結集した名著である。

 自衛隊で戦史教官として活躍される方達の執筆だけに専門的だ。
防衛大学や陸上自衛隊幹部学校(旧軍の陸大に相当)で教授や助教授、戦史教官 を経験された戦史教育のエキスパートである。

 そんな「戦場の名言」は古今東西の軍人の肖像が表紙だ。
士気を高め、勇気を呼び起こす一言、指揮官たちの名言91を収載された1冊だ。  「貴様たちになくて、敵にあるのはガッツなんだ」米第一海兵師団強襲大隊長 メリット・エドソン中佐がガダルカナルの戦闘で部下を叱咤した言葉だ、日本軍 の夜襲により滑走路まで進出した仙台4連隊第2大隊長田村昌雄少佐指揮の部隊 は海兵隊を驚嘆させる戦闘を展開した、戦後田村少佐は海兵隊へ招かれ指導した 人物でもある。

「将来、日本軍の体質を根本的に改善し、列国同様、近代戦に応じる戦法及び兵 力、編成装備を採らないかぎり、国軍はたちまち落伍するであろう」野砲兵学校 研究部主事、小林順一郎中佐の言葉である今にも通じる言葉だ。「断じて戦うと ころ死中おのずから活あるを信ず」小笠原兵団長栗林忠道「全滅とは何だ!お前 と俺が生きてるじゃないか」戦車3連隊寺本弘中尉「帰ればまた来られる、帰ろ う」第一水雷戦隊司令官木村昌福少将

「わしは毎日、尖兵長をやっとる、時には斥候長もする」第54旅団長木庭知時少 将など戦場で発せられた一言を集めた珠玉の一冊「戦場の名言」戦車兵神博行の お勧めの一冊である。 「この本を読まなければ後悔する」