ヒマヒマなんとなく感想文|

ニカラグア革命戦争映画「アンダー・ファイア」2


(アマリリス 2008.4)

ニカラグア革命戦争映画「アンダー・ファイア」 (VHS)
(UNDER FIRE)

戦場に何かを求めるいろんな輩がニカラグアに集まっている。
雑誌記者、放送局レポーター、ジャーナリスト、カメラマン、傭兵、広告会社、スパイもどき・・・。大統領や反政府ゲリラとの駆け引き、同業同士の馴れ合いと牽制。誰が信用できて、どうしたら利用できるのか。騙しはめられて、いったい自分は何に突き動かされているのか。
さりげなく描かれている細かいエピソードが面白い。しかし、登場人物が多いので、面白さを逃さぬように真剣に鑑賞しよう。

記者会見場やホテルにはごちゃごちゃいたメディア関係者だが、カメラマンが乗り込んだ地域には、それらしき姿はぜんぜん見えない。そういうものなのか?

どうも戦場取材というとイメージが単一になってしまうが、現地に居ても、記者会見にだけ出る人からネタ(ときには真実)をを追って危険な地域にまで足を踏み入れるのは海外でも多数派ではないということか。

この作品、戦場ジャーナリストたちの活躍をかっこよく描いているように見えるが、この仕事ならではの葛藤や限界、誘惑、そして戦況に影響を与えることもあるという戸惑いが散りばめられていて、けっこう人間臭い職業映画だ。自分だったらこういうとき、どうするだろう、と、考えずにはいられない。
カトケンならどうしたか、番外編を書いて欲しいね。

そういえば、エンド・ロールを眺めていたらギターがパット・メセニーだって。
若くしてジャズ界のスターになったメセニーが、哀愁漂うラテンの旋律を奏でていたとはびっくりだよ。とはいえ、ドキュメンタリーっぽい作風なので音楽はかなり控えめだけどね。だからよけい、贅沢な使い方してるなと思ったのだ。

びっくりといえば、地味な映画なのに、意外に有名なキャスティング。
カメラマンはガタイの立派なニック・ノルティで、有名雑誌記者はいかにもモテおやじのジーン・ハックマン。もうひとりのメインキャストのレポーター役は「ブレードランナー」に出ていたらしいが、がっしりした女優。今同じ映画を作ったら、もっとフェロモン高いキャスティングになりそう。

また、当時は大きく名前が出ていないエド・ハリスの傭兵役が実にはまっている。
ハリスはいろんな役柄を演じているが、20年後にスターリングラードで
また狙撃手に扮していて、つくづく一匹狼がよく似合うと感心したよ。眼光鋭くむだのない外見としぐさが、個性的な役を呼ぶんだね。

印象的だったのは、ニカラグアの前の取材地で出会った傭兵のやっていることにショックを受けたカメラマンが「これがお前の仕事か!」と食って掛かったら、「お前と同じ」と切り返されて何も言えないシーンだった。