ヒマヒマなんとなく感想文| 戦争・軍事

田母神俊雄の軍人としての素質



 
 航空幕僚長として有名だった田母神俊雄の講演を聴いてみた。

「99パーセントの自衛官は、私を支持している」と何度も述べていた。この一 言で、田母神俊雄が軍人としてはダメなことが想像つく。数字をこんなふうに概 念的に使う人間は軍人として能力は低い。特に航空自衛隊は、飛行機を扱う部署 であり、あまり、数字データを感情的に扱う人間にはいてほしくない。

 「偉い人が政治意見を述べたから私はクビになった。私は、偉い人こそ、政治 意見を述べるべきだとおもい主張をした」とも田母神氏は述べた。航空幕僚長 は、一般民間人より偉いのだろうか。たかが公務員=公僕、だとおもっていた が・・・。一般民間人よりも偉いとおもっている軍人は、ろくな軍人ではない。 偉い軍人が生き残るために身分の低い一般民間人を殺すだろう。つまり、民間人 を守ることを軍人の職務とおもってはいない。

「論文事件発覚の直後、防衛省に出てこないでくれと言われた。行ったら、私 は、英雄になってしまうからだ」と田母神氏は言っていた。口先で英雄になれる と錯覚している軍人は、現場にいてほしくない害悪軍人だ。部下や戦死者の手柄 を横取りするような気がする。

また、自衛隊は辞めた人間に対しては冷たい組織といわれている。飲み会の席で も、元幕僚長のOBが現役からまったく相手らされず1人寂しく酒を飲んでいる 姿などあたりまえの光景だという。つまり、「自分は英雄になる」と思っていた 田母神俊雄は、状況把握ができない人であり、やはり軍人としての能力は低いだ ろう。 このように、一瞬にして軍人として能力が低そうな要素が4つも出てきたのだ が、彼は出世はしている。軍人としてダメというのではなく、戦場向きではな いってことかな。過去の有名軍人をみると、日本の軍人さんは、戦場向きでなく ても英雄になれるのかもしれない。

世間が注目した田母神論文を読んだことはないので、私は、そっちについては意 見はない。軍人が政治発言をすることについての是非も、私の興味とは関係な い。ただ、戦場突入マニアとして、話題の自衛官に、軍人の素質あるのかどうか は興味あった。 だが、田母神俊雄にも評価できる点が、この講演の中であった。 防衛省内局オピニオンリーダーのカトケンに向かって、堂々と「内局は自衛隊の 邪魔ばかりする政治局だ。内局が自衛隊を助けたことは一度もない。内局は消滅 してほしい」と内局憎悪をビシバシと言ってくれたこと。と、おもったら、この 内局憎悪敵視意見は、現役自衛官のころは正面切って言えず、退官した立場だか ら、言えてるのだと。なぁんだっ、弱っちい。

             加藤健二郎(防衛省内局オピニオンリーダー)

カトケンが内局オピニオンリーダーとして初めての部隊視察行ったとき