ヒマヒマなんとなく感想文|

『日本スカイダイビングの創始者笹島穣』

( 陸戦研究家/神博行)

『日本スカイダイビングの創始者笹島穣』小島肇著  私家版
 陸上自衛隊空挺部隊の草分けで、日本でのスカイダイビングの創始者である笹
島穣氏の追悼写真集が元二等陸佐の小島肇氏(防衛大19期)が私財を投じて出
版した。
 「笹島氏は空挺の草分けだ」

笹島氏は一般大学出身の幹部で米軍でパラシュートの訓練を受け、米軍の空挺
バッチ、陸上自衛隊の空挺バッチ、そして西ドイツ軍の空挺バッチを持つ稀な人
であった。西ドイツ軍は空挺バッチのデザインが変わる度に送ってきたそうである。

三等陸佐で依願退職され「日本落下傘スポーツ連盟」会長として、日本のスカイ
ダイビングの礎を作った笹島氏を知る人は今は少ない。
「うどん粉でスモークを作る」

この写真集は防衛大学時代パラシュート部で自衛官としては空挺、幹部レン
ジャーなどの有資格者として活躍された小島元2佐が笹島氏の偉勲を惜しみ出版
された。ご遺族から貴重な写真を提供され笹島氏だけでなく自衛隊空挺部隊創成
期の珍しい写真が掲載されているのだ。

うどん粉をスモーク代わりにダイビングしている写真は珍品だ。
「空挺創成期の写真」

しかしこの写真集は限定30部しか出版されず、営利目的ではないため実費で1
冊1万2千円と高価である。
現在在庫0と入手不能状態である。増刷も最低30部からで欲しい人が集まれば
ひょっとして再版の可能性もあるとのこと。自衛隊の空挺並びに日本のスカイダ
イビングの歴史をしる一コマとして貴重な文献であるのは間違いない。

小島氏は現在映像作家として自衛隊取材されている、もしこの貴重な写真集を入
手したい方は東長崎機関に「神博行宛て」メールを下さい。入手希望者が多けれ
ば再版される可能性もあります、歴史に埋もれてゆく人々の多い中で、偉大な功
績のあった隠れた逸材を知っていても損はない。