活動活動報告

「アゴヒゲアザラシ たまちゃんのナゾ」トークショウ



2003年6月28日。池袋のジュンク堂カフェで、素もぐり日本一の水中写真家 
塚崎慎一郎氏のトークショウ「アゴヒゲアザラシ タマちゃんのナゾ」が開催された。
発熱中だけど、アザラシへの愛で頑張れちゃう塚崎氏。
テーマがたまちゃんだから、ギャルがいっぱい!!
	  
でも、侮っちゃいけない。潜水技術を一緒に遊びながらアザラシに教わったという塚崎氏の
講義の内容はとっても深く、タマちゃんのナゾを専門家の目で分析・解説してくれたので、
参加者は感激・大満足だった。
ナゾを解き明かすのに、アラスカから取り寄せたアゴヒゲアザラシの部位が登場したり、
呼吸法についてみんなで実演してみたり。疑問への回答が見つかって納得する一方で
「でも、なんでこんなことまで出来るんだ〜?」と別のナゾが生まれたり。

上の画像は、エサの微細な動きをキャッチする優秀なセンサーであるヒゲ。
透明で弾力がある。
タマちゃんはどこから来たのか、アゴヒゲアザラシ分布と潮の流れの図解をしながら
解説する塚崎氏。
アラスカ北極圏から送ってもらった捕獲ホヤホヤの頭骨。塚崎氏が示しているのが脳ミソ用の空間。
意外にも、脳は小さく、骨も壊れやすいので、イヌイットやホッキョクグマが襲うときは、
頭を狙うのだとか。
タマちゃんの歯はこ〜んなにちっちゃい。だから、ホタテ貝をこじ開けるなんてもってのほかだ。
こうして参加者はタマちゃんのエサの条件に詳しくなってしまい、居酒屋で「これは、タマちゃんも
食べられるね、あれは食べられない・・」と復習に余念がなかった。
タマちゃんは東京湾の食物連鎖の頂点。タマちゃんにエサをあげるんじゃなくて
エサが住める海にしなくちゃね。濃い青の部分は、酸素が少なくて生物が住めないところ。
金沢八景沖はタマちゃんのエサがたくさんだけど、東京湾は埋め立てられすぎて
休む場所がないので川まで行っているのだ。だから、近隣都県ごとに1つずつでいいから
休憩用筏を作ろう、という運動を始めているそうです。
このリュックの中に、説明に使ったデリケートな骨が詰まってる。
骨たちはつぶされずに無事に帰れたかな。
	  
	  
山と渓谷社 Nature Discovery Books「アゴヒゲアザラシ タマちゃんのナゾ」は、
多角的にタマちゃんのナゾを解析していて、学術的な解説本としてだけでなく、
かわいいタマちゃん写真集としても納得の貴重な本でした。お勧めです。