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映画「チェチェンへ、 アレクサンドラの旅」試写会





チェチェンのロシア軍基地が、ロケ場所なので、なにしろ、リアルだ。
現代ロシア軍の装甲列車が出てくるところなんか、かなり貴重。マニアは、絶対 に見逃せない。BTR-80戦闘装甲車も、乗員の座り方から、予備輪の装着方法、装 備品の置き方など、すべてが実戦仕様そのものなので、軍事マニア冥利だ。基地 の中では、カラシニコフAK-74の分解掃除、グリス塗り、ボルトの調整など、ガ ンマニア必見メンテナスのシーンがある。ランボーのような格好つけではなく、 ロシア軍基地の中の普通のロシア兵のありふれた日常シーンだからこそ、ロシア 軍の実態を知りたい人には資料価値が高い。基地のフェンス、検問の防弾措置、 ロケーションなどなど、なにしろ、見逃したくない資料が満載。

T-72戦車の砲塔部分に装着された成形炸薬弾対策の突起金具も出てくる。戦車整 備小隊の整備関連車両、戦車回収車など、ロシア兵のどのポケットになにが入っ てるかを見極めたいマニア氏にいいかも。ロシア軍のテント兵舎の構造、将校の待 遇、そして虫がぶんぶん飛ぶ夏のチェチェンの気候。装甲車のドアなどにはさま るチェチェンの砂埃。やはり、本物のロシア軍基地でのロケ映画っていうだけ で、画面の隅々まで見逃せないシーンがいっぱい。字幕読んでるヒマなんかな い、吹き替えにしてほしい。字幕だと画面の隅や遠方でチョロっとした日常会話 しているロシア兵の言葉は表現されない。吹き替えのときは、そういうたわいも ない会話も入れて欲しい。

ロシア兵の厭戦の感じもわかる。しかし、厭戦で戦意が低下などしないところが ロシア兵の強さなのだ。つまり、ロシア兵は最初っから厭戦気分であり、厭戦気 分なんていうのは、ロシア軍にとっては、「戦争やるんだから、あたりまえじゃ ん」っていうところなのだろう。だから、負け戦でボロボロになってもロシア兵 の士気は衰えない。だって、勝ち戦でもボロボロなんだから、いつものことさっ て。ロシア軍の強さここにあり。


『チェチェンへ アレクサンドラの旅』
原題:Alexandra
監督・脚本:アレクサンドル・ソクーロフ
製作国:ロシア、フランス映画
上映時間:1時間35分
配給:パンドラ

2009年1月、
渋谷ユーロスペースでロードショー開始