インフラ海外拠点イラク

英語圏大手メディアの自衛隊報道 3

(報告:常岡千恵子)


  そして、オーストラリアのメディアが、この記者会見をどう取り上げた
か、以下に要旨をご紹介する。

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AAP(オーストラリアン・アソシエイティッド・プレス) 2005年3月8日配信
    −イラク展開の矛盾を一蹴する政府



  本日、日本の群長がオーストラリア軍の護衛は必要ないと明かした。
  オーストラリア軍がイラクでの任務が明確になるのは、数週間後になる
かもしれない。

  日本の自衛隊の群長・太田清彦1佐は、ABCラジオに、「オーストラ
リア軍は我々を直接警護する必要はない」、「(オーストラリア軍は)治安
維持を担当するのであって、我々を直接警護するものではない」と語った。

  ムサンナ州に駐留する英軍の指揮官は、オーストラリア軍の明確な役割
が最終的に決定するまで、数週間かかるかもしれないと示唆した。

  オーストラリア軍の将軍は、オーストラリア軍は自衛隊と緊密な連携を
取って任務に当たるが、彼らの事実上のボディガードではない、と述べた。

  ダウナー外相は、日本の自衛隊には130人の警備担当者がおり、オー
ストラリア軍の大きな任務は決まっているが、日常的な任務の内容はまだ
明らかではない、と語った。

  野党労働党は、政府に対し、オーストラリア軍がムサンナ州で行う任務
の詳細を糾し、任務の内容が明確でないかぎり、オーストラリア軍がより
危険な任務に巻き込まれる懸念を示した。

  労働党は、オランダ軍のように攻撃ヘリコプターを装備しない、オース
トラリア軍の安全確保についても懸念している。

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『シドニー・モーニング・ヘラルド』 2005年3月8日付
     −イラクに派兵される兵士の役割の詳細を要求



  野党は、イラクに派兵されるオーストラリア軍の役割について、さらな
る詳細を求めた。

  この要求は、日本軍の群長の発言を受けてなされたもの。
群長の発言は、ムサンナ州におけるオーストラリア軍の任務について、
論争を喚起した。

  ハワード首相は、オーストラリア軍は、戦後憲法の制約で戦闘行為がで
きない日本の兵士たちの護衛にあたる、と説明してきた。

  しかしながら、日本の軍隊の群長・太田清彦1佐は、オーストラリア軍
は彼らを直接警護する必要はなく、もっと広い役割において有用だと語っ
た。

  野党は、オーストラリア軍は十分な装備を伴っていないと指摘した。
任務の詳細が明らかにされない状態では、任務が拡大する可能性があり、
装備が不十分になるという懸念を示した。

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  読んでのとおり、日本の大手メディアの報道としては画期的な前出の
『読売新聞』の記事も、実は記者会見の核心部分を伝えていなかったこと
が、おわかりであろう。

  つまり、サマワの自衛隊の太田群長の発言が、オーストラリアで物議を
醸してしまった重大事実が、抜け落ちているのだ


続く