ヒマヒマヒマヒマモード

朝雲新聞による敗軍の烙印、自衛隊




朝雲新聞は、自衛隊防衛省の御用新聞である。
その中で一面に掲載されている「朝雲寸評」は、朝雲新聞の総意だ。
その朝雲寸評で、「3年先を見通せない軍隊は、すでにして戦に負けている」と、
厳しく、叱られている。(朝雲新聞2007年11月29日号)

これは、攻撃ヘリコプターAH−64Dアパッチロングボウが、1機200億円
以上という、F−2戦闘爆撃機(自衛隊用語では支援戦闘機という)の2倍弱の
値段に跳ね上がるという時代の流れを見通せなかったため、生産を中止すること
になったことについて。

特に具体例の掲示は、めんどうなのでしないが、1996年ころから、つい最近
まで、
「新型攻撃ヘリコプターは素晴らしい」という論調が、軍事評論家たちのあいだ
では、絶対的なバイブルになっていたが、東長崎機関氏だけが、高性能攻撃ヘリ
コプター無用論を唱えていて、編集ポリシー、国歌ポリシーに反するということ
で嫌がられていた。
これは、攻撃ヘリ絶賛論の章の中で、東長崎機関氏が、なんとか抵抗して挿入さ
せた、
「ヘリコプターなんて、地上からのハイテク対空兵器にはボロ負け」という内容。
編集部からは「いくらハイテク武装してもヘリが弱体なことはなるほど理解でき
るが、今、防衛庁は、新規の攻撃ヘリを購入する方向は決めてるから、それを絶
賛する記事をひっくり返すことはしないほうがいい」とのアドバイスを受け、こ
のような小見出しに記事になった。

(別冊宝島「自衛隊のハイテク戦」)2001年6月
これは、「防衛庁は、ただ単に、高額兵器のアパッチを欲しいだけ」ということ
を専門誌への広告や、元自衛官によるヨイショ記事から見たもの。だけど、
1990年代後半のこの時代、新型攻撃ヘリコプターに異論を唱えるなんて国賊
なので、ぜんぜん相手にされなかった。
(月刊「ビジネス・インテリジェンス、1998年1月)
これは、カトケンの自著「自衛隊のしくみ」なので、あるていどはしっかりと、
ヘリで地上攻撃なんてダメダメよ」論を図解入りで書いている、2004年発行
の本ってこともあって、日本国内の趨勢は、「新型攻撃ヘリ、アパッチ、万歳万
歳!」論の真っ只中だったので、カトケンの文章も、1990年代ほど歯切れよ
くない。ヘリ作戦の弱点を訴えてはいるが、攻撃ヘリそのものをしっかりと断じ
ていない。カトケンも、所詮は軍事屋、新しいヘリが日本で見れるようになるこ
とは、マニア的に見て、楽しみでもあった。
こちらも、自著本の「密着報告自衛隊」だから、AH−64アパッチが、あまり
役に立たない高価な兵器だということを遠慮なく書きまくってた。2003年
11月。

べつに、AH−64アパッチに恨みがあるわけではないのだが、以下の写真。
1987年8月、東亜建設工業の社員だったころに米国研修でたまたま立ち寄っ
たウィリアムスバーグという田舎町の小さな「TRANSPORTATION 
MUSEUM」(交通博物館)の一角に、おまけのように兵器が30個くらい置
いてあり、そこに、AH−64アパッチがあった。
1987年にすでに田舎の博物館においてあるAH−64アパッチを、21世紀
に日本が「次世代の最新鋭攻撃ヘリ」なんつって高い金出して欲しがる米国崇拝
姿勢には、どうも本能的というか感情的に「NO」と言いたくなっていたのかな。

ちなみに、アパッチの初飛行は、1975年である。
1機200億円超えというのは、骨董品価格だったんだね。
この記事は、攻撃ヘリダメダメ論としては、頑張ったほうなんだが・・。

攻撃ヘリコプターというタイプの兵器が、自軍が圧倒的に有利なワンサイドゲー
ムのような戦場でしか役に立たない、ということをなんとかして挿入させた。編
集部の意向と軍事評論家の意向を混ぜて、このような表現の文章になりました。
これで、「攻撃ヘリなんて不要」という意図を汲み取ってくれた人は、日本の国
防戦略をわかっている人かな。

専守防衛の日本国防戦略の中で、地上戦が行われているとして、それが、圧倒的
に日本にとって優勢な状況だなんて、ありうる? 制空権、制海権を奪われて敵
の空爆下になってから、日本国内での地上戦が始まり、つまりそういう事態でな
いと、攻撃ヘリの出番はないとおもうのだが・・・。

(別冊宝島「自衛隊のハイテク戦」)
(2007.12.7)