ヒマヒマヒマヒマモード東長崎外(国内)北海道

陸戦研究家・一押し素敵な店『鮎猫堂』

(写真、文/神博行)


『鮎猫堂』


札幌の東区付近にはあまり行かない、しかし最近よく出入りをする店が出来た。
軍装・古民具・アンティークの店だ。当然のことだが私は「軍装」に惹かれた、
去年(2008年)旭川から札幌に移転してきた。
『鮎猫堂のショウウィンドー』


店主は80代の老人ではない、たくましい体躯の30才の若者が店の主である。
美しい奥さんと猫3匹、アルバイトの男性が鮎猫堂でまっている。
『憲兵の軍服』


店内は軍服と軍装品が所狭しと置かれている。博物館や資料館でもお目にかかれ
ない貴重な軍装品が売られている。

『旧軍の階級章や勲章・記章類』


この店の商品は基本的に「本物」志向で、レプリカもあるが本物を提供すること
に尽力している軍装命の店だ。私が若い頃には旭川でそういった骨董品の店が
あったのだが、今は少なくなった。そのころは北海道の軍装品は内地の骨董店が
軍装品を買い出しに来るような「物価」が安い時代で、随分北海道から軍装品が
流出していた時代であった。
「鮎猫堂店主自慢の一品 明治時代の騎兵中佐の大礼服」


しかし今、鮎猫堂は内地まで買い出しに行くほどの精力振りで頑張って本物を揃
えている。本物を揃えるのには大変な苦労があった。
「壁には明治時代の軍服や大将時代の軍服が」

レプリカだけでなく紛い物や悪意のある贋物も少なくない世界なのだ。それだけ
でも悔しい思いもしたろうし、それをバネに一層努力をして勉強と精進を怠るこ
とをせず頑張ってきたのだ。
「軍帽」
「週番士官」


もちろん時代考証もしっかりと勉強している。またマニアやコレクターの目も肥
えているので、うっかり偽物を本物として売ってしまうようなことのないよう細
心の注意を払っている。信用第一なのが骨董を扱う店の一番の基準だ、ここなら
間違いないと言われる努力を怠っていない店が大事なのだ。
「店には三匹の猫が待っている」

またこの「鮎猫堂」が札幌に移転してきて一般客第一号だったのが、私であった
のも縁起が良い。私は「福の神」と呼ばれることもたまにある、私には「貧乏
神」がとりついているのだが・・・。ある時は「恋いのキューピット」にさえな
り、某軍学者の結婚に一躍買ったこともある。
「着物や故民具も扱っている」

初めてこの店へ訪れた時はオープン後で整理中であった、二度目に訪れた時は店
頭にかぼちゃを置き一番の売れ筋商品であった。行く度に姿を変えて繁栄してい
る。取材に訪れたこの日、店には客がたくさん来ていた。
しかも女性客だ、着物が売れて支店を出そうかというほど繁盛している。
「軍医 工兵の兵科の襟章が付いた軍服」


ここの店主は良く勉強しているので戦争や軍隊の話をするのも楽しいし、ちょっ
とした軍装品の話も大変勉強になる。
「背嚢と拳銃のホルスター」

軍装品を着て遊ぶ大人は軍服をレプリカでも良い人が多いが、コレクターは本物
を欲しがるのでその辺の客筋の線引きはあるようだが、ネットでも販売している
ので興味がある人は見てみよう。
「明治時代後期の軍服(週番士官の左となり)は完全なコンディションの珍品」

資料館に行っても軍服の説明を時代毎に解説説明してくれる機会はないだろう
が、ここではちゃんと解説も説明もしてくれる。資料館では見ることもできない
貴重なものも少なくない。
「軍靴や帽子に混じり貴重な軍隊の手動式充電懐中電灯」

映画や文献でもおそらく出てこないような軍装品もある。写真中央の箱は手動で
ハンドルを回し充電して懐中電灯の灯りを点ける。こんな懐中電灯があったこと
など実物を見て初めて知ることができるのだ。
「手動式懐中電灯と防寒帽」



こんな実物に触れ説明を聞くと気分も新たとなるし、お金があれば手に入れるこ
とも可能なのだ。ここでは売るだけでなく、高価買い取りも行っている。軍服だ
けでなく骨董品や着物、古民具も扱うし、刀剣類も買い取りしている。
「兵隊杯」


『鮎猫堂』は札幌市東区北18条東8丁目1−1
電話番号011−752−6580