ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

内陸交通拠点のアトランタ都市計画(道の川柳・森川晃)3



【タイプ2】都心アクセスランプの合理化
	  
  アメリカの高速道路は、ほとんどの区間が有料道路として建設されていない。その
 ため、一般道路との接続は安価なダイヤモンド型が採用されている。都市部では高速
 本線沿線のできるだけ多くの一般道路に接続している。綿密な交通計画で出入口の位
 置は決まるが、都市の予想外の成長により交通分散がうまく機能せず、特定の出入口
 への交通集中が発生する。ランプ部の延長が短い箇所や、車線数が少ない箇所では、
 高速本線の通過交通を阻害する渋滞が慢性化することがある。
 
  <<< 
 I75、I85とGA10のジャンクション
  当該地区は、高速本線(ATLANTA EXPWY.)の西側が市街化されている。現在、東側
 へのGA10(FREEDOM PKWY.)は、この先約2キロで終点である。沿道の市街化は
 進行しているが、圧倒的に西側のCBD地区の一般道路へのアクセス車両が多い。
 
  <<< 
 I75、I85とGA10のジャンクション
  線形変更模式図
  図中の番号は、以下の画像の撮影位置。
  本線との分岐合流は、本線の右側に統一され通過交通との住み分けを行っている。
 例外として、本線南側とPiedmont Avenueの相互連絡ランプだけが、本線左側で分岐
 合流している。このランプは十分な長さのアプローチ区間を持っているので、本線通
 過交通の速度低下には起因しない。これは、ロサンゼルスで実施されているHOV※
 専用レーンと同じ構造ですが、現時点では常時一般車両に開放している。また、今後
 のGA10延長に伴う交通量増大を想定して、GA10とのジャンクション交通の速
 度低下を招かない構造にしなければならない。

  改良箇所は、

  1 ATLANTA EXPWY.の本線通過交通の速度低下を招かないようにする。
       GA10ジャンクションだけでなく、一般道路への出入口も十分な幅員と十分
       な 長さのアプローチ部をもつようにして、なるべく本線右側だけで分岐合流
       させる。

  2 GA10のジャンクション交通が高速走行できるよう、一般道路への出入口ラ
       ンプ部とは別にする。
  3 西側CBD地区との出入口は、ATLANTA EXPWY.南北双方向、およびGA10の
       全方向と連絡できるようにする。

  おおむね上記のように整理できる。
 
  <<< 
  I75、I85(ATLANTA EXPWY.)北行き
  GA10方面ジャンクション、
   およびInternational Blvd.方面出口の分岐部。
  (1990年9月9日、著者撮影。(以下すべて))
 
  <<< 
  I75、I85(ATLANTA EXPWY.)北行き
  GA10方面ジャンクション、および
   International Blvd.方面出口の分岐ランプ 部。
  ATLANTA EXPWY本線のオーバークロスは、
  手前から、Ellis St.からGA10への入口ランプ部、
  ATLANTA EXPWY南行きからGA10方面ジャンクション、
  GA10からATLANTA EXPWY南行き方面ジャンクション。
  正面の高層ビルは、Civic Center。
 ※      HOV(High Occupancy Vehicle)
  バス、タクシーのほか、高占有率の一般車両(2人以上乗車)専用レーンのこと。
 30年ほど前にロサンゼルスのハーバーフリーウエイなどで実施されたダイヤモンド
 レーンが起源である。当初は、既存レーンにダイヤモンド型のマーキングをしただけ
 で規制していたが、違法車両の走行が多いため、分離帯を設置して一般車両との住み
 分けを行った。HOV2は2人以上、HOV3は3人以上と、乗車人数を増やして
 いった。ところが、渋滞の中を一人で運転している車に近寄り「乗車してやるから金
 をだせ」という巧妙な恐喝事件を引き起こすことになった。HOVは既存レーンの一
 部を専用化していたが、HOV以外の車両による渋滞が激化したため、新規にHOV
 専用線を建設することになった。主として本線の中央分離帯にT型の橋脚を建てて上
 部を通過する高架構造である。もちろん、一般道路への出入口も専用のものが設置さ
 れた。

  <<<
  左分岐は、International Blvd.方面出口。
  右分岐は、GA10方面ジャンクション。

  <<<
  ATALANTA EXPWY北行きからInternational Blvd方面出口ランプ、
  ATLANATA EXPWY本線オーバークロス部から
  Piedmont Avenue方面出入口ランプ部をのぞむ。
 (このランプは、ATLANTA EXPWY南側との相互
   連絡ランプですが、出口ランプが接続する
   Piedmont Av.を過ぎた直進方向のHarris St.が
  東行き一方通行なので、Piedmont Av.北行きへ
   の右折しかできない。
  因みにPiedmont Av.は北行き一方通行です。)
  ATLANATA EXPWY本線は、Piedmont Avenueと
   Baker Streetの交差点下トンネルに入る。

続く