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内陸交通拠点のアトランタ都市計画(道の川柳・森川晃)4



【タイプ3】環状線と放射線の結節点の交通容量増
 
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 I85とI285とのジャンクション全景。
 広大なジャンクション空間になっている。(約1平方マイル)
 4層構造ですが、広大すぎて高さはわかりにくい。
 (USAのWEBサイトで検索して流用。)
 アトランタ都市圏の高速道路ネットワークをまとめる形で、すべての放射高速
道路と相互連絡する環状高速道路がある。路線番号はI285と、アトランタ市
を南北に貫通するI85の補助線として位置付けられている。通称名は、
THE PERIMETER。I2 85は、アトランタCBDを中心にしてやや南北に長円で、
長径(南北)は約8マイル、短径(東西)は約6マイルの半径である。都市圏の
大きいアトランタにおいても、都心からかなり離れているので雄大な平原を走行
する典型的なアメリカの都市間高速道路の様相である。道路構造は本線の車線だ
けを確保する都市部とは異なり、通過交通の高速走行に適した構造になっている。
十分な長さの分岐合流車線の確保、広い路肩や中央分離帯を擁し、南北通過(
I75、I85)におけるアトランタ市街地のバイパス機能を果たしている。
先述のように南北に長い長円なので、東西通過交通(I20)には大回りすぎる。
このあたりが、I285という路線番号に由来するのでしょう。
 
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 I285(THE PERIMETER)路線図。
 図中の番号は、EXIT(出口)番号です。
 (アメリカの高速道路では、ジャンクション
    に愛称がついていないことが多い。
  本線から分岐する箇所ということで、
    一般道路への出口と同様に通しの出口
    番号が振られている。)
 ところで、開通当初からすべてのジャンクション(放射線との交差部)が、高
速通過に適した構造になっていたわけではない。土地の安価な郊外路線では、工
費をおさえるため土工部分の多い構造が採用されることが多い。つまり、立体構
造を避けるということです。2路線の交差(4方向の相互連絡)で、最も構造物
の少ないのはクローバー型のジャンクションである。立体交差は、本線同士の1
箇所だけで済む。ただし、すべての分岐合流に織り込み区間が存在し、さらにル
ープ区間では著しい交通容量の低下が発生する。交通量の少ない箇所には有効で
あるが、交通量の多い時間帯が存在する箇所では、致命的な渋滞ネックになる。
もちろん、本線の高速走行が突然阻害されるため交通事故多発箇所にもなる。
I285(THE PERIMETER)ジャンクション一覧
(IE以外では表示できません。PDF版を追加予定)    
アトランタ都市圏は、かつてはやや都心から西寄りに偏向していた。次に、南側
の空港(WILLIAM B HARTSFIELD ATLANTA INTERNATIONAL AIRPORT)までのエリア、
そしてトリートであるPEACHTREE STREETに沿って北側に市街地が拡大した。 
ところが、アトランタ市がアメリカ全土の交通拠点として注目され、有力企業の
誘致で人口が飛躍的に増大し、市街地がほぼすべての方向に拡大するようになった。
アメリカの主要都市には、たいていアトランタのような環状高速道路がある。I
285は他都市の環状高速道路に引けを取らない構造だったが、都市圏の拡大に
よりだんだん負担が大きくなってきた。本線の構造は問題ないので、放射線との
接続部の改良に着手した。
 
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 I85とI285とのジャンクション
  の線形変更模式図。
(1)  南北方向の放射線との接続部をスムースにする。
  →I75、I85とI285の接続ランプ部を直結型にする。(ループ型を
        避ける。)
   EXIT1(I85:南西方向放射線)
   EXIT14(I75:北西方向放射線)
   EXIT26(I85:北東方向放射線)
   EXIT42(I75:南方向放射線)(このジャンクションでは郊外と
        環状西側への需要は少ない。)
(2)ジャンクションと一般道路とのインターチェンジの近接する区間での織り
      込み区間をなくす。
  →EXIT25、26、27
   EXIT45

 上記の箇所で、(1)(2)の双方の改良ポイントがあるEXIT26につい
て記す。

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 I85とI285とのジャンクション。
 図中の番号は、以下の画像の撮影位置。

続く