ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

益城熊本空港ICの追加効果3



【益城熊本ICの追加効果(福岡方面)】
 次に、九州自動車道の各方向に対する熊本都市圏における3つのインターチェンジ 
の果たす役割について整理する。益城熊本空港ICが追加されるまでは、熊本ICと 
御船ICが熊本CBD地区からほぼ等距離の南北に位置していた。つまり、北側の熊 
本ICが福岡側、南側の御船ICが鹿児島側である。道路事情の良い国道57号と連 
絡する熊本ICの方が圧倒的に利便性が高い。御船ICに近いCBD地区より南側で 
も熊本東BPに近いエリアでは敢えて御船ICを利用する必要はないだろう。

 九州自動車道の熊本都市圏における3つのインターチェンジの福岡方面への交通量。
 および、その割合。
 実際には、2つのインターチェンジを合わせた全体交通量の76.3%が熊本IC 
を利用していた。この交通量には阿蘇方面との相互交通も含まれるが、ある程度は目 
安になるはずである。

 益城熊本空港ICが追加され、3つのインターチェンジを合わせた全体交通量から 
見ると、熊本ICが61%、益城熊本空港ICが18%、御船ICが21%である。 
比率ではなく交通量そのもので見ても熊本ICで1972台少なくなっている。益城 
熊本空港ICは約4016台、御船ICはほとんど変わらず4710台である。つま 
り、福岡方面への利用比率は、熊本ICの減少分が益城熊本空港ICに移ったという 
ことである。また、全体交通量は1日あたり1904台増加している。約1900台 
の新たな交通需要を引き出したことになる。

 なお、上記統計は益城熊本空港ICが追加される前の1998年3月から1999 
年2月までの1年間の1日あたりの平均交通量と、2001年3月から2002年2 
月までの同交通量をベースにしている。鹿児島方面についても同様のデータを使用し 
ている。

 九州自動車道の熊本都市圏における3つの
 インターチェンジの福岡方面への利用割合。
【益城熊本ICの追加効果(鹿児島方面)】
 先述のように御船ICよりも熊本ICの方がCBD地区からやや早く到着するが、
鹿児島方面へは九州自動車道を御船ICまで11.9キロも余計に走行しなければな
らない。それでも時間的には早いかもしれないが、心理的には無駄な大回りをしてい
るような気になるだろう。したがって、鹿児島方面へは、熊本ICよりは御船IC利
用の割合が大きいと考えられる。

 九州自動車道の熊本都市圏における3つのインターチェンジの鹿児島方面への交通量。
 および、その割合。
 実際には、2つのインターチェンジを合わせた全体交通量の58.3%が熊本IC 
を利用していた。御船ICは41.7%である。

 益城熊本空港ICが追加され、3つのインターチェンジを合わせた全体交通量から 
見ると、熊本ICが38.9%、益城熊本空港ICが37.8%、御船ICが23. 
3%である。比率ではなく交通量そのもので見ると熊本ICが1853台減少、益城 
熊本空港は6217台、御船ICは2069台減少している。鹿児島方面において 
は、御船ICの役割は益城熊本空港に引き継いだかたちになっている。全体交通量で 
は1日あたり2295台増加している。約2300台の新たな交通需要を引き出した 
ことになる。これは、益城熊本空港IC効果だけでなく、鹿児島方面での南九州自動 
車道の部分開通(八代JCTから日奈久ICまで)や宮崎自動車道の先で東九州自動 
車道の部分開通(清武JCTから西都ICまで)、さらに加治木JCTから末吉財部 
ICまで、鹿児島ICから市来ICまでと多くの枝線が開通したことにも起因してい 
る。それでも、重交通の福岡方面よりも鹿児島方面の増加量が多いのは大したもので 
ある。今後、加久藤TNの4車線化で鹿児島方面への利便性が向上すればさらに増加 
することになるだろう。
因みに、末吉財部は「すえよしたからべ」と読む。

 九州自動車道の熊本都市圏における3つの
  インターチェンジの鹿児島方面への利用割合。

続く