ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

山手通り&首都高速中央環状線1-7




◆画像15
 渋谷区富ヶ谷2
 山手通り富ヶ谷歩道橋から神山町方向をのぞむ。このあたりでは山手通り外回り側 
に新たに確保した道路用地にずらしたかたちで工事エリアを設定している。富ヶ谷か 
ら神山町にかけての山手通りは微妙にS字状になっている。今回の山手通り拡幅で、 
富ヶ谷側は外回りを拡幅、神山町側は内回りを拡幅して、直線化させている。なお、 
この区間には首都高速中央環状新宿線の富ヶ谷R(ランプ)が作られる。山手通りの 
中央分離帯に渋谷方面と首都高速西新宿方面を相互連絡する出入口である。
(2003年2月11日、著者撮影)

◆画像16
 渋谷区上原1
 山手通り富ヶ谷歩道橋から初台方向をのぞむ。(天候が良くないので見難いが、正 
面の高層ビルが初台のオペラシティである。)このあたりは山手通りの原風景が残っ 
ている。注意して見ると山手通りの両側には空き地があり、高層建築が後退してい 
る。拡幅は実施されるのだ。ただし、富ヶ谷から代々木換気所までの区間は首都高速 
の地上施設は何もないので、地下でシールドトンネルを掘削していても工事エリアは 
設定されない。
(2003年2月11日、著者撮影)
 富ヶ谷交差点の南側には、中央環状線の新宿方面と相互連絡する富ヶ谷ランプが設 
置される。山手通りの中央分離帯で出入りするセンターランプ形式になる。なお、地 
下の中央環状新宿線本線とも2本のシールドトンネルの中央で接続するセンターラン 
プ形式になる。つまり、首都高速も山手通りも本線右側での分岐合流になる。
 首都高速は富ヶ谷交差点北側で営団地下鉄千代田線をくぐるので、この付近の地下 
トンネルは深い。地平の山手通りから長い斜路を経て首都高速に至ることになる。首 
都高速での実際の分岐合流地点は富ヶ谷交差点の北側の代々木地内と思われる。
 
 今回の報告対象区間は、都内随一の高級住宅地である。4車線の山手通りを通した 
だけでも大したものだと思うが、それを拡幅して地下に首都高速を通すのはさらに困 
難な計画だ。東京オリンピック(1964年)に間に合わせる計画に組み込まれてい 
たら、六本木や麻布のように8車線に拡幅された一般道路の上を高架で首都高速が通 
過することになったと思う。もちろん、渋谷線と接続する大橋JCTは谷町JCTの 
ような直結型の高架構造になる。谷町JCTは3方向の接続なので2層で済むが、大 
橋JCTは4方向の接続なので4層になる。

 現在は、地下トンネル構造での通過でも容易に計画は実施できない。出入口や換気 
所などの地上施設に対しても厳密なアセスメントが実施され、沿線住民の理解を得な 
ければスムースに進められない。首都高速のように都心の既存住環境に入り込む都市 
高速道路は欧米ではほとんど見られない。日本の各都市や上海、バンコク、台北、マ 
ニラなど東アジア特有の形式である。時勢に応じて常時変化が強いられる純然たる都 
市機能だけの視点で見れば、首都高速は画期的である。ただし、その変化の止まる休 
息期間には不適切な存在である。電灯を照らして、ステレオを鳴らし、テレビをつけ 
たまま眠るようなものだ。首都高速は眠る余裕のなかった成長期の残した産物なのだ 
ろうか。ただし、誰かが起きていて都市を維持しなければならない。首都高速が不適 
切だとしてもそれに匹敵する媒体は絶対に必要だ。眠っている人を優先するか、起き 
ている人を優先するかということではない。双方を生かそうとすることが政策の本質 
ということだ。

■訂正まとめ
 公開済みの報告にいくつかのミスを見つけたので、まとめて訂正致します。
1)大橋JCTはダブルスパイラル
 大橋JCTのループ部はダブルデッキの2周構造である。(詳細は本報告に記載した 
通りです。)
「2002.11.6 続地下に1兆円を埋めるプロジェクト 18 60メートル駆け上がりトリ 
プルスパイラル」については当方の助言によりタイトルが決められたと考えられる。 
報告者の加藤氏にご迷惑をおかけしたことお詫び致します。
2)営団地下鉄は丸ノ内線
 地名は「丸の内」ですが、営団地下鉄の路線名は「丸ノ内」線です。これまでの報 
告では区別できていなかった。本件については理解していたつもりだが、ワープロの 
変換では区別できていないので、つい見落としてしまった。今後は機器に任せすぎな 
いよう留意致します。
3)大泉JCTの線形
 東京外環自動車道の大泉JCTの線形について、誤記を見つけた。本件について 
は、別途報告させていただきます。

■今後の予定
 BBSにて、首都高速中央環状新宿線の西新宿JCTの構造について問い合わせが 
ありました。本件に関しては鋭意調査中ですので、もうしばらくお待ちください。読 
者の某氏から貴重な参考資料を頂戴致しましたこと御礼申し上げます。なお、本報告 
では大橋JCTから富ヶ谷までを対象としているが、今後は機会があれば(編集部で 
採用していただければ)順次北上していこうかと考えています。

 なお、中央環状線に関する報告は、同じサイトの「地下に1兆円を埋めるプロジェ 
クト」に対抗するものではない。このページはリアルタイムの貴重な情報が掲載され 
ている。当方も愛読していて、ここに記載された情報を参考にして本報告書をまとめ 
ている。中央環状線工事による山手通りの通行帯規制の現状、および変化の経緯を確 
認するには最も信頼できる画像情報だろう。ただし、キャプションが少ないので東京 
の地理や規制の全容を理解していないとわかりにくい。当方はおおむね地理や全容は 
理解しているつもりだが、確認を兼ねて本報告にまとめただけである。つまり、本報 
告は「地下に1兆円を埋めるプロジェクト」のサブテキストと考えていただければ良 
いかと思う。東長崎サイトに合わせた言い回しならば「援護射撃」になるかな。

「地下に1兆円を埋めるプロジェクト」は、昨年12月以降あまり更新されていない 
ようだ。確実に通行帯規制は変化しています。調査続行を期待している。(当方だけ 
でなく神奈川県在住の道路事情に精通した某大物読者も大いに期待していると連絡を 
受けています。)

「12〜1月、イラク情勢に目がくらんで、バブル絶好調のほうをサボってました」
        (東長崎機関バブル絶好調担当班)