ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

西瀬戸自動車道4



 来島海峡大橋は、4車線のフル規格で供用しており、その外側には歩道が設置され 
ている。完成していると言える。第一と第二は武志島に橋台(アンカーロック)を設 
置、第二と第三は馬島にアンカーロックを設置しているため3つの吊橋が連続するか 
たちになっている。島はいずれも橋台として利用されているだけで、橋の利用者にと 
っては実質6本の主塔をもつ4キロ超の吊橋である。明石海峡大橋は3911メート 
ルなので、来島海峡大橋の方がやや長い。

 ところで、来島海峡第一大橋は4車線分が完成しているが、下り線の2車線分しか 
使用していない。第一大橋の区間で4車線に移行させて第二、第三大橋では4車線で 
運用できるようになっている。大島南ICから第一大橋までのアプローチ区間が2車 
線の対面通行である。

 一般的にはアプローチ区間で車線移行を行っているが、この区 
間には第一大橋の直前に吉海トンネルがあるため車線移行させるスペースが確保でき 
なかった。吉海トンネルは短いトンネルなので、2本掘って移行区間にしても良かっ 
たと思うが、少しでも建設費用と工期を抑えたかったのだろうか。第一大橋は、運用 
はともかく構造上2車線分だけで完成させることはできないので仕方がないが、西瀬 
戸自動車道はとことん半端な開通のさせ方である。

◆図8
来島海峡第一、第二、第三大橋
自動車通行用の4車線の外側にそれぞれ専用の歩道が設置されている。本線は全レー 
ンが開放されているので、完成していると言える。ただし、第一大橋は下り線の2車 
線分のみを対面通行で運用している。第二大橋までに徐々に4車線をフルに利用する 
ように移行している。これは、大島南ICから来島海峡第一大橋までの区間が暫定2 
車線の対面通行で、この区間では移行区間が確保できなかったためである。来島海峡 
大橋としては全区間が完成していると言える。
(本州四国連絡橋公団WEBサイトから引用。)
 今治北IC、来島海峡SAからは、2車線の対面通行になる。近見トンネルを抜け 
て今治市街に入り、国道196号(今治BP)と接続する今治ICで西瀬戸自動車道 
は途切れる。
 今治IC以南、いよ小松JCTで松山自動車道への接続までは、今治小松自動車道 
という日本道路公団管轄の一般有料道路になる。本州四国連絡橋公団は、海峡部の架 
橋だけがミッションであり、高速道路ネットワークの構築というビジョンは持ってい 
ないということだろうか。どのみち利用者には意識させる必要のないことである。

◆画像5
来島海峡SAアプローチ高架区間。
(2003年4月28日著者撮影。)

◆画像6
来島海峡SA、今治北IC
奥のループ区間は左側が今治方面から来島海峡SAへのアプローチ、右側が来島海峡 
SA、および今治北IC入口から大島方面へのアプローチである。手前のランプは大 
島方面から今治北IC出口へのアプローチである。サービスエリアとインターチェン 
ジが組み合わさった複雑な線形になっている。ただし、フル接続ではない。今治方面 
からは今治北ICは利用できない。また、今治北IC入口からは来島海峡SAは利用 
できない。来島海峡SAからは今治北IC出口は利用できるので紛らわしい。
(2003年4月28日著者撮影。)
 今治ICから今治湯ノ浦ICまでは今治小松自動車道が未開通なので、一般国道1 
96号今治BP(バイパス)を通過する。因みにこの道路の管轄は、国土交通省四国 
地方整備局松山工事事務所である。
 今治BPは4車線のフル規格で開通しており、今治市街を避けるバイパス構造とし 
ては問題ない。ただし、平日の通勤時間帯には交通集中起因で流れが悪くなることが 
ある。それでも2車線暫定開通だった2000年12月までに比べれば格段に利便性 
は高まっている。

 この区間の今治小松自動車道(10.3キロ)は、2001年度に着工したが、当 
面は今治BPの代用で問題ないような気がする。
 
 今治湯ノ浦ICからいよ小松JCTまでは今治小松自動車道である。この自動車道 
は、東予丹原ICといよ小松JCTの間が先行開通したが、東予丹原ICから今治B 
Pの入口までは市街地の狭い国道を通過していたため通過時間がかかるだけでなく安 
全面でも問題があった。今治湯ノ浦ICまでの延長により、松山自動車道から西瀬戸 
自動車道への接続の利便性は高まっている。

◆画像8
今治小松自動車道、今治湯ノ浦IC
(国土交通省四国整備局松山工事事務所のWEBサイトから引用。)
 今治小松自動車道も西瀬戸自動車道と同様に、ほとんどの区間が暫定2車線の対面 
通行で供用している。交通量は少なめで、西瀬戸自動車道の来島海峡区間の70%程 
度である。これは、西瀬戸自動車道の通過車両の30%が今治市街を終点にしている 
ということではない。やはり、今治の南西に位置する松山市を終点にしているリンク 
が多い。

 ところが、今治から松山までは、今治小松自動車道から松山自動車道を利用するルー 
トではなく、国道317号で山抜けの短絡ルートを利用する車両が少なくないという 
ことである。高速ルートは三角形の2辺を通過するので、遠回り感は逃れられない 
し、今治BPの流れは良くてもやはり高速がつながっていないのは利用者を遠ざける 
原因になる。それに通行料金がかかる。2ルートの通過時間は、実はあまり変わらな 
い。松山市街は慢性的に交通集中起因で流れが悪いので、松山市内のどこを目的地と 
するかによって2ルートの利便性はかなり変わってくる。高速ルートは南部に接続す 
るので、道後温泉ならば東部に接続する国道317号が便利である。

続く