ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

東名高速VS中央高速 2



【距離(線形)】
 東名ルートの東京ICと小牧JCTの距離は346.7キロ。中央ルートの高井戸 
IC※1と小牧JCTの距離は351.2キロ。中央ルートが4.5キロ長い。35 
0キロのうちの4.5キロはわずか1.3%である。ほぼ同じと考えても問題のない 
差である。

※1 高井戸IC
 高井戸ICは、上り線の出口だけが供用されている。入口の供用は全く目処がたっ 
ていない。
 本報告では、各ルートの東京起点は環八通りに連絡しているインターチェンジとし 
た。東名ルートは東京IC、中央ルートは片方向連絡だが便宜上高井戸ICとした。

◆地図1
東名ルートと中央ルートの平面図、および縦断図。
 東京と小牧JCTを直線で結ぶと、案外東名ルートが南側にはずれていることがわ 
かる。中央ルートの東京と甲府の間や、飯田と小牧の間が直線上に近い。平面ルート 
では地図上で中央ルートが決して大回りではないことは一目瞭然である。ところが、 
縦断ルートは、明確な差異がある。中央ルートは最高地点が1000メートルを越え 
ている。東名ルートの最高地点は500メートル足らずである。

 また、ピークは東名 
ルートが御殿場付近の1箇所で、目立った急勾配区間は存在しないのに対して、中央 
ルートには複数の勾配区間がある。大きなピークは4箇所。高井戸から順に、小仏ト 
ンネル、笹子トンネル、諏訪南IC付近、恵那山トンネル西口で、諏訪以東の東京ま 
での区間がきびしい縦断曲線になっている。

 この縦断曲線が渋滞の原因になる。交通量が設計交通量をやや上回る程度でも、小 
仏、笹子のピークを含む高井戸ICから勝沼ICまでの区間は長い渋滞が発生するこ 
とがある。本件については【所要時間】の項に記す。

■東名ルートの画像
 東京ICは首都高速渋谷線と一体でダイヤモンド型のシンプルな形式である。接続 
する環八通りは高い高架橋でオーバークロスしている。環八通りの直通用のオーバー 
パスを増設するクリアランスを確保しているが、着工されるという話や陳情、反対な 
どは聞いたことがない。純粋に交通処理だけに着目すれば、環八立体との2重立体化 
は実現すべき案件だが、住宅地密集地にさらに環境を悪化させる施設を増設すること 
は永遠にないだろう。交通の分散は東京外環自動車道に任せることになりそうだが、 
果たして実現するのだろうか。

◆航空図1
東名高速道路、東京IC付近。

◆画像1
世田谷区砧公園
東名高速道路、東京IC(入口)
(1986年11月16日、著者撮影。)

◆画像2
東名高速道路、東京IC(出口)
環八交差点から東京IC出口、川崎方向をのぞむ。
画面右側の緑地は砧公園。
(1986年11月16日、著者撮影。)

◆画像3
世田谷区砧公園
東名高速道路、東京IC
公園橋(東名高速オーバークロス橋)から東京IC入口合流部、首都高速方面を
のぞむ。
(1986年11月16日、著者撮影。)

◆画像4
公園橋から東京IC出口分岐部をのぞむ。
(1986年11月16日、著者撮影。)

続く