ヒマヒマバブル絶好調道の川柳・森川晃

阪神高速・第二環状線1



阪神高速2号線

【はじめに】
 下記の拙文で、阪神高速道路大阪線における第二環状線の位置付けについて記した。

2003.10.13阪神高速森小路線9
2003.10.10阪神高速森小路線8
2003.10.8 阪神高速森小路線7
2003.10.5 阪神高速森小路線6
2003.10.2 阪神高速森小路線5
2003.9.30 阪神高速森小路線4
2003.9.28 阪神高速森小路線3
2003.9.26 阪神高速森小路線2
2003.9.24 阪神高速森小路線1

 これは、森小路線という短区間の路線の存在意義をキーにして説明したものであ 
る。要約すると、森小路線は当初は開通済みの環状線の外側を囲み込む第二環状線の 
一部として計画、着手されて開通に至った。ところが、計画見直しにより森小路線は 
第二環状線のルートからはずれた。第二環状線構想そのものも緊急性を要するもので 
ありながら、ルート設定に無理があるため遅々として進まなくなってしまった。森小 
路線の開通から30年を経て湾岸線の北港JCTから島屋まで淀川左岸線が2号線と 
して開通した。第二環状線は、阪神高速2号線の部分開通で具体化に拍車をかけられ 
たかたちになった。

 ところで、上記拙文における第二環状線は湾岸線区間を含めすべて阪神高速道路で 
構成され、湾岸線以外はほとんどが新規建設区間で、着手どころか都市計画決定にも 
至らず詳細ルートが確定していない不完全なものだった。阪神高速道路は首都高速道 
路ほど致命的ではないが多くの渋滞ネックがある。その多くは環状線の交通容量オー 
バーに起因している。先述のように30年前から第二環状線は緊急性を要するもので 
あるため、ルートが確定しないまま放置しておくわけにはいかない。かといって、首 
都高速中央環状新宿線、品川線のような莫大な建設費が関西に投じられる可能性は低 
い。投資予算はおおむね東京の半分である。そして、バブル期以降は年々減少してい 
る。道路建設が無駄な投資というよりも汚職の温床として世論に叩かれ、政府もそれ 
に何らかのリアクションが強いられた。

 関西だけでなく東京以外の道路事業は、予算が確保できないためなかなか予定通り 
には進まない。名古屋地区は時間をかけて当初計画を遂行している。計画から40年 
を経て近年ようやく名古屋圏の高速道路ネットワークのかたちが見えてきた。大阪圏 
は計画を合理的に変更して実現可能性の高い方法を選択することが多い。
 第二環状線は、拙文に記した経緯でルートを選定したが実現時期が遠いので、さら 
に実現時期の早いルートを発表した。(◆図2を参照。)

◆図1
阪神高速道路建設事業路線図
(高速道路調査会発行「高速道路と自動車」2003年4月会報から引用。)

◆図2
第二環状線概念図
(阪神高速道路公団発行リーフレット(松原線通行止め)から引用。2003年9月 
入手。)

◆図3
大阪ゾーン高速第二環状線のルート変遷図。
 第二環状線のルート(◆図3)と現在建設中の区間(◆図1)を見比べると、最新 
の第二環状線で未着手の区間は淀川左岸線と近畿自動車道の間だけであることがわか 
る。その前の第二環状線は東側の全区間が未着手であることに比べれば実現が近づい 
ていることが予想できる。(大阪泉北線は着手区間に分類されているが、設計変更を 
強いられ事実上頓挫している。当初はJR阪和線の高架化工事と一体で鉄道高架の上 
に高速道路が被るかたちだったが、現在は鉄道の高架化だけが単独で進行している。 
もちろん、この鉄道高架線には将来高速道路が被る準備はしていない。)

 最新の第二環状線の整備効果は、「国土交通省近畿地方整備局 近畿幹線道路調査 
事務所」のWEBサイトに詳しい。

http://www.kkr.mlit.go.jp/kansen/grand/network/netwk05.html
http://www.kkr.mlit.go.jp/kansen/grand/network/netwk05_1.html
http://www.kkr.mlit.go.jp/kansen/grand/network/netwk05_2.html

 この報告は主として経済面における効果がクローズアップされている。マクロな視 
点での分析である。1号環状線の通過車両のシフトを40%としている。かなり強気 
の予測である。

続く