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6.印税

[及川眠子] 本は印税xx% でしか表現できない。

[健] 印税とは限らなかったりするけどね。

[眠] 音楽は33%か25%。作詞家・作曲家・音楽出版会社の三者で等分するか、音楽出版社が半分持って行っちゃうか。本の場合は?

[健] 出版は単純に1%刻み。

[眠] 一番低いのは?

[健] 0%。思想系とかは、お金じゃなくて、出来上がった現物でくれたりする。
まあ、自費出版じゃなくてよかったね、ということ。

[眠] いままでで一番おいしいのは?

[健] 「別冊宝島」。ムックが出て文庫になるから、舞台を同じ。99年に出した自衛隊の本がけっこう売れて宝島社が自衛隊本が売れると思って1年に1回は出すようになった。宝島社は文庫も作ってるんだけど、書店の棚を取れてないから売れてなくて外から文庫書き下ろし等の持込がなく、ムックから文庫にするしかない。だからムックでだせば自動的に文庫になる。ムックは原稿料でもらって、文庫は印税だ。

[眠] Winkの「淋しい熱帯魚」がパチンコになったの。玉が入ったときに鳴る「Heart on wave 〜」の許諾料と複製使用料が入るんだ。
また、ハリケンジャーのおもちゃメーカーが作った刀も振ると「シュシュッと参上」と鳴るのでお金が入る。だいたい下敷き1枚1円くらいかな。

[健] 写真の使用料として1部につき1円と言ってた人がいたが、出版ではありえない。100万部だと100万円になってしまうが、今は5万以下。「フラッシュ」でも1万円程度に落ちてるけど、社員の給料は落ちてないんだよね。専門誌・大手の両方とつきあってると、中小の専門誌に対しては安くてもしょうがないかなという気になる。昔は「フライデー」が8万くらだしてたし。

[眠] 下がってくるんだ。

[健] 写真は誰でも撮れるようになった。露出やピントがあうのが偉いことではなくなった。社員でも撮れるようになったから落ちて3分の1くらいになってたりする。

[眠] CDの印税も落ちてる。1枚に入る曲数が多くなったから。でも10曲だったのが16曲になる程度だから3分の1にはならない。

[健] そのかわり出版は売る先がたくさんある。安田くんがクラスター爆弾の写真を「フライデー」と「フラッシュ」の両方に出してた。ひとつは出版社のチェックが甘くなったのも原因だね。「フライデー」が「フラッシュ」をチェックできないなんて。文句は言うかもしれないが、経費を貰ったわけじゃないし。経費は、出してもらったら先に他には持っていくなという暗黙の了解があったものなんだけど、最近は中途半端な額しか出さなくなった。昔は30万かかるところを50万出してくれたりしたから、出してくれた出版社を優先しようと思ったけど、10万貰った程度ではそういう気持ちになれないだろうね。

[眠] 北朝鮮で払ったワイロは自腹?

[健] 自腹。その方があちこちに売れるから。お金なんてあとで取り返せばいいし、経費は貰っていくの面倒だから。貰っていくと毎日報告しなきゃならなかったりしないとならないから、めんどくさいんですよ。でも、プロは、経費がないと必要とされてないと感じる人が多いみたい。

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